※※第226話:Make Love(&Privily).133







 「……っ!」
 彼女がイくのとほぼ同時に、薔も射精をした。

 ドクンッ…!ドクッ――…!

 「……っん、んん…っ、」
 こんなところでは普段味わえることのない鼓動が、子宮目掛けて注ぎ込まれる。
 薄暗い化学準備室のなかで、ナナは確かにからだじゅうを彼に支配されていた。
 ゆびが髪を梳くように滑り、その手つきにもひどく感じてしまう。


 「……っは…っ、」
 たくさん迸りを感じ取ると、くちびるはゆっくりと放されてゆき互いに抑えきれない吐息がくちびるのあいだ交ざりあった。

 「ほんとはもっとしてぇけど、今は止めとく……」
 ふっと笑った薔は彼女の涙を両手で拭い、おでこにキスをしてから抜いていった。
 「あ……っ、」
 おんなじ気持ちでいるナナの中から、とろりと、白く濁った体液が伝い出してくる。



 「やっぱ…りっ、薔のっ……ほっ……が…っ、えっち……れす…っ、」
 恍惚の表情で、土曜日の勝負についてをナナは甘ったるい声で引っ張り出してきて、
 「こんなにも淫れた姿でよく言うな…」
 まだまだ譲る気はないようで、意地悪く微笑んだ薔は彼女の入り口をゆびで撫でてから、そっとキスを落とした。


 「ん……」
 弄られる入り口はまだまだ彼が欲しくて仕方なく淫水を溢れさしながらひくひくしていたが、場所が場所なこともありここは堪えるしかありません。
 それでもしばらく、ふたりはやさしいキスを堪能していた。


 化学準備室にはきちんとティッシュも常備してありますし、隅っこには水道などもありますし処理はスムーズにいくと思われますよ。
 ただ、昼休みを終えてもふたりが帰って来なかったために、クラスの皆さんは強ち間違ってもいない妄想に励んだりしちゃっているとは思われますが。















 ――――――――…

 「……あれ?」
 一時帰宅をした屡薇は、待っていてくれるはずの彼女の靴が、玄関にはないことを訝しく思った。
 そんな玄関には、なんだか美味しそうな匂いが漂ってきている。
 真依は確かにこの部屋へ、訪れてはいたようだ。

 屡薇は念のため下駄箱の中や、下も確認してみたが、真依の靴はどこにも見当たらなかった。


 もしかしたら何かしらのサプライズが待っているのかもしれないとか陽気なことも考えながら、屡薇はリビングへと向かう。






 とりあえず、何も言わずにリビングのドアを開けてみたが、やはり真依の姿はなかった。
 バッグなども、どこにも置かれていない。
 ただ、キッチンには彼がつまめるようにと作ってくれた野菜スティックと唐揚げが置かれてあり、ベランダにはきちんと脱ぎ捨ててあったはずの衣類が干されて微かな風に揺れているのがレースカーテン越しにも見て取れた。

 「どういうこと?」
 一瞬キョトンとした屡薇だったが、まさか彼女の身に何か危険なことが!?とあたまを巡らせて、いささかパニック状態にもなった。

 そのとき、テーブルのうえにきちんと揃えて置かれている走り書きのメモが目に飛び込んできた屡薇は、はっとした。
 一番上に置かれているのは、きちんとした一曲として歌詞が出来上がっている。
 その歌にタイトルはついていなかった、屡薇は昨日の夜、“祥子との思い出にきちんとタイトルをつけて真依との未来を歩いて行こう”と、亡き彼女への想いを綴った歌詞を引っ張り出してきたのだ。
 しかし、なかなかタイトルは思い浮かんでこなかった、今は完全に気持ちが真依にあるため、過去に合ったタイトルを付けようと考えを巡らすほどに未来のことを考えてしまったからだった。

 屡薇はひた隠しにしてきたその歌の歌詞を、仕舞い忘れた、真依はおそらく彼はまだ姉への想いを断ち切れていないのだろうとショックを受けて、静かに部屋を後にしたのだろう。


 「何やってんだよ……俺……」
 真依のことを考えればいてもたってもいられなくなり、屡薇はすぐに彼女へと電話を掛けた。
 電源は切られているようで、いくら掛けても繋がらなかった。



 …――――――お隣さんにも、とうとう、修羅場が訪れた模様です。















  …――How do you get?

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