※※第206話:Make Love(&Public sex).3







 「……っは…っ、」
 ゆびが抜かれ、くちびるが放されてゆく。
 唾液が細く糸を引いたために、今度はそうっと吸いつくようなくちづけをされた。
 そして薔はゆびについた蜜を舐め、ナナに向かって妖しく微笑む。

 (あ……)
 潤んだ視線が奪われる、彼の後ろには遊具へと続く景色が広がっていたが、ナナはひたすらに彼だけを瞳に映していた。


 「おまえ、気づいてるか?」
 耳もとで吹き抜けて、薔は露にしてゆく。

 「向こうから子供の声…聞こえてくんだろ?」








 彼の言葉により、ナナは初めてそちらに意識を傾けることができた。
 確かに、遊具のあるほうからは子供たちの声が聞こえてくる。
 公園で遊んでいるのかは定かではないが、何とも危険な状態だ。

 それでも、躰は興奮してしまって、彼が欲しくて堪らなくなっている。
 危険だと思うほどに興奮した。



 グイッ…

 彼女にちゃんと気づかせてから、あたまを撫でるとその片脚を持ち上げ、

 「どうしても声我慢できそうにねぇときは、思い切り俺の…締めつけていいぞ?」

 今にもまたキスできそうな距離で言い聞かせた薔は、一気に挿入してきた。

 「そしたらキスしてやるから…」










 ズプンッ――――…

 「……っっは…っっ!」

 挿れられる瞬間に堪らずイけてしまったナナの中は、彼に向かって激しい収縮を起こした。

 「……っ、いきなりかよ…」
 動きながら息を乱して、笑った薔はすぐさま彼女のくちびるを奪う。


 グチッ…グチッ…

 「んっっ…ン、んっん…っ、」
 突きながら艶かしく、舌を絡められた。
 音は上からも下からも、どうやっても響いてしまう。

 あたまの後ろに片手を回され、ゆびが絡む髪は乱されているようで整えられてもいるようだった。
 持ち上げられたかたほうの脚には彼のゆびが食い込み、何度も突き上げられる最奥が融けそうなくらいに熱くなる。

 気持ちがよすぎて嬌声を上げそうになれば否応なしに中は収縮してしまう――やさしいけれど濃く激しいキスにも耽溺してしまう。



 子供たちの声は聞こえているのか、遠ざかったのか近づいたのか、それを考える余裕はナナには微塵も残されてはいない。
 全身で、内側まで深くただ彼を感じている。

 「ん…っっんんんっっ、」
 ピストンは気持ちいい場所も執拗に擦り、彼女には限界が近づいていた。
 「……っ、ん…っ、」
 狭められた薔もふと、躰をふるわせて、より一層動きを速めたのだった。

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