※※第204話:Make Love(&Make Love!).11
「あぁぁ、眼鏡関連がいっぱいぃぃっ……」
ひとまずバスローブを着たこけしちゃんは、ニコニコとケーキを食べながらテーブルのうえに並んだ彼氏の誕生日プレゼントの数々を眺めていた。
「………………。」
私はどこまで眼鏡なのかと、眼鏡をくいっとさせた醐留権は美味しそうに彼女お手製のケーキを頬張る。
ズバリ、その内容とは……、
彼女であるこけしちゃんからのプレゼントは鞄の形をしたピンクのメガネケースと攻めが眼鏡のBL漫画(こけし姉さんはそこも譲れなかった)、ナナと薔からとは言ってもナナからの気持ちはこれっぽっちも詰まっていないらしいプレゼントは黒の本革メガネケース、羚亜が一生懸命アルバイトに励み悩み抜いた末に選んだプレゼントは唐辛子を象ったメガネケースだった。
ゾーラ先生はしばらくはメガネケースには困ることはないだろう。
唯一眼鏡関連でなかったのは、白い薔薇がチョコプレートに散りばめられた彼女の愛情たっぷり手作りショートケーキである。
あ、一番は彼女自身か。
「すごいねぇぇ?男同士の愛情だねぇぇ?」
「いや、桜葉、君からのプレゼントにもばっちりメガネケースはあるのだが……」
そこは男同士の“友情”にはできないのだろうか?と思いながら、醐留権はもう一切れケーキをおかわりした。
今夜は最高のお誕生日になりましたね。
「あのぅ…、薔……」
「ん?」
ほかほか湯上がりでいつもより遅めのお散歩の最中に、ふと思い出したナナは彼の服をくいくいと引っ張って尋ねてみた。
「なぜに薔と醐留権先生は放課後の教室で抱きあっ」
「それ以上言ったらそこの公園で青姦だぞ?」
「ほええ!?あおか」
「そいつは辞書を引け。」
今、わんこたちのお散歩中ですが。
放課後の教室で抱きあっていたときには、しっかり羚亜もおりましたが。
……青姦は、辞書で解決できるのだろうか?
“ウフフフフフ…”
万が一でも青姦に発展した場合には、見張り役に徹するつもりでいる花子と、
“花子ちゃん、なにがうれしいの?”
花子に構ってもらいたい豆は、並んでゆったり歩いてゆく。
仲良しよにんと一緒に歩く、明るいけれど密やかなお月さまひとり。
…――――ゾー誕もいろんなところで愛が深まり、
屡薇と真依は日曜日の夜、まさかのスタジオでラブアフェアに励んじゃうのか?
…――Love is always infinite!
[ 107/535 ][前へ] [次へ]
[ページを選ぶ]
[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]
戻る