※※第169話:Make Love(&Sex aid).11






 (そのお勉強に予約は挿れ…入れられませんよね――――――――っ!?)

 周りは心で絶叫し問いかけた。
 途中で漢字は思わず間違えました。


 「なら仕方ねぇな、帰るか。」
 「はいっ!」
 ふたりはこのままふたりっきりの世界で、ラブラブ帰り道に就こうとしたのだけど、

 「しょっ、薔ちゃ――――――――ん!!」

 幸というかだいぶ髪の薄い先生の声が、掛けられたのだった。





 スタスタ…

 「突然ごめんね!?待って!待ってくださいまし!薔ちゃん、いや、薔どの!薔さまーっ!」
 一度は完全なる無視をされたが、横科はめげずに教室へ飛び込むと、

 「お願いです!また三咲くんと一緒に、演劇部の助っ人をしてくださいーっ!」

 頭皮を丸見せにする形で土下座をし、叫んだ。





 ナナはけっこう乗り気で、周りもワクワクし始め、

 「もうね、大会に出るって部長が張り切ってて、明日のテストが終わったらさっそくお願いしたいんだけどいいかな!?」
 横科は必死になってつづける。


 すると、

 「劇の内容を10文字以内で説明してみろ。」

 見下ろし、薔は言った。






 (前回より10文字も減った!)
 切羽詰まった横科だが、前回は4文字もオーバーしたこともあり、

 「恋愛ものですーっ!」

 かなり簡潔にまとめてみた。
 今回はばっちり2文字も余りました。





 「よし、出てやる。」
 「ありがたき幸せ!」
 「うわぁ、楽しみですね!」

 恋愛ものなら良かったようだ。


 ……と言いますことで、ナナと薔はまたしても演劇部の助っ人をしちゃう模様です!

 にしても恋愛ものって色々あると思うんだが、いったいどんな内容なんだ?















 ――――――――…

 (き、気まずい…!)
 耳まで赤くした真依は俯いて、よく味のわからないドーナツを頬張った。

 「真依さんてさぁ、月曜日以外にどっか一日休み取れるんだよね?」
 「ふぉっ、ふおうっ!」
 ソファに並んで座っている屡薇は、あっけらかんとして問いかける。


 「じゃあこれ、俺のライブスケジュールも参考にしてね。」
 「あ、ありがとう…」
 そして屡薇は手書き感満載のライブスケジュール表を彼女へと手渡した。

 「字ぃ汚な…」
 「躍動感あるよね?俺の字、」







 本日は屡薇はオフのようです。
 タイミングよく休みだった真依は、渋々と見せかけてものすごく喜び勇んでご飯を作りにお邪魔しており、

 「そうだ、今度さ、俺の髪切ってよ。」

 昼食も終え寛いでいるなか、屡薇は笑いながら言った。



 「ムリ!」
 「なんで?」
 真依は赤面したまま即答で、

 「だって、ドキドキしすぎて手元狂うし…」

 気まずそうに目を逸らした。




 その瞬間、

 ちゅっ…

 覗き込むようにして屡薇は、キスをしちゃったのだ。

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