※※第169話:Make Love(&Sex aid).11













 「お、終わった…!」
 ナナは珍しくか真剣な表情で、未だ手にしているシャープペンシルを握りしめた。

 「ナナちゃぁん、もうテスト一日目は終わったよぉぉ?」
 「うん、終わったね…!こけしちゃん…!」
 ニコニコのこけしちゃんは、親友へと駆け寄る。
 ナナはそれでも、真剣な表情をやめない。

 本日はこれでお開きのため、皆さん帰り支度を始めております。


 そして、

 「こけしちゃん、わたし珍しく、問題がスラスラと解けたんだよ…!」

 息を呑んだナナは、ばか正直に明かしてきた。

 「良かったねぇぇ、ナナちゃぁん。どうやってお勉強したのぉぉ?」
 にっこにこのこけしちゃんが、その素晴らしき勉強法についてを尋ねたところ、

 ……かあぁぁぁああっ…

 「えっと、それは、その…」

 真っ赤になって、ナナは答えた。

 「昨日の夜…、薔と…、エッチなことしながら、お勉強…しました…」










 ブ――――――――ッ!

 ばっちり聞こえちゃった周りは、赤面し何かしらを吹き出しかけた。
 こけしちゃんはずっとにっこにこ極まりません。



 「だっ、だから、問題を解きながら、色々、思い出しちゃって……」
 「ナナちゃぁん、大胆ぅぅ。」

 ……色々って、ナニを思い出したんですか?



 周りが内心かなり興味津々で、はてなマークを浮かべたりしていると、

 「今日もお勉強するのぉぉ?」
 「うん、そうなんだよ…!」

 もじもじしているナナへと、こけしちゃんはさりげなく皆が聞きたがっていることを聞いてくれた。


 (お勉強ということは、エッチを……)
 これぞ悟りの境地(ではない)。


 「もーう、困っちゃうよ…」
 と、さほど困っているようには見えないが帰り支度をささっと済ませたナナさんは、

 「こけしちゃんのGLとやらも、帰って読まさせていただきます!」
 「明日でもいいよぉぉ?くれぐれもぉ、こぉっそりねぇぇ?」
 「うん!ありがとう!」

 いそいそと彼氏の教室へと向かっていった。
 ちなみに、こっそり読まれた試しはあまりございません。


 「さぁてぇ、あたしは帰ってBL書くかなぁぁ。」
 ルンルゥンとこけしちゃんも、帰り支度を始めたんだとさ。












 「薔っ!帰りましょう!」
 お迎えに参上したナナは、元気よく声を掛けた。

 「おまえ何で真っ赤になってんだ?」
 羚亜にテストの正しい答えやなんかを聞かれめんどくせえとか思いながら教えてあげていた薔は、羚亜をほっぽって、

 「俺の知らねぇとこで何かあったんじゃねーだろうな?」
 「えええ!?」

 不機嫌となった。





 「愛羅さん、ここの答えわかる…?」
 「羚亜くんが何か、子犬みたい!かわいい!」
 「答えはわからないの?」
 ここは相も変わらず、バカップル全開だ。





 そんでもって、ナナは誤解を解くために、

 「ちがいますよ!」

 真っ赤っかになって、叫んじゃった。

 「テスト勉強をしながら薔がエッチなことをするので、思い出しちゃったんですよ!でも、おかげさまでスラスラ解けました!」

[ 90/537 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]


戻る