※※第168話:Make Love(&Engross).96







 「ふぅぅ、明日から二日間テストだっていうのにぃ、GL完成しちゃったぁぁ…」
 こけしちゃんはマイルームにて、ニコニコと汗を拭った。

 “わりとお前はいつもテストとか関係ねえ生活を送ってると思うぜ?”
 こけしちゃんのお膝の上にて寛いでいるゲイちゃんは、さすがな指摘。
 しかしこれでもこけし姉さんは、授業をきちんと受けているためかなり成績いいほうなんです。


 「ゲイちゃぁん、読み上げてもいいぃ?」
 “おれは寝る。”

 読んで聞かせられそうになったゲイちゃんは、お構いなしに眠りに就いた。


 そのとき、

 「母ちゃーん!おれ、慎くんちにポストンジャーみにいってくるーっ!」

 階下より聞こえてきた弟の言葉に、

 ……はぁぁぁっ!

 こけしちゃんはすかさず猛反応を示した。



 (そんなことを今日されたらぁ、ふたりの行方が気になりすぎてぇ、テスト勉強に集中できないぃぃっ。)
 どうやらこれから本格的に始めるつもりだったようです、テスト勉強。


 「司ぁ、待ちなさいぃぃ。」
 おっとりにおいての大慌てで、こけしちゃんは部屋を出てゆき、

 “おれの寝入り端を妨げんなよ、”

 欠伸をしたゲイちゃんは、優雅にこけしちゃんズベッドのど真ん中を占領した。








 「えーっ!?今日は慎くんちに遊びにいっちゃいけないのお!?」
 「火曜日まで待つのよぉ、司ぁぁ。」
 玄関にて、姉は弟を説得し、

 「火曜日まで我慢したらぁ、何かが変わるかもしれないでしょうぅ?」
 「よくわかんないけど、わかった!」

 司はうまく丸めこまれた。



 「母ちゃん、おれもいっしょにポストンジャーみる!」
 「あと10分ほどで毘沙門手(びしゃもんて)様に会えるよぉぉ…」

 母はイケメン鑑賞が楽しみな様子だ。
 本日は仕事が休みの父はソファにて、大人しく新聞に目を通しているように見えるがいささかムゥゥ。

 こけしちゃんは一安心。











 「司のやつ、おせーな…、まさかくる途中でなにかあったんじゃあ…!」

 …――ひとまず慎くんには一報を入れてあげよう!

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