※※第195話:Make Love(&Sex aid).14









 FeaRの皆さんはソワソワ、若干一名はオドオドしながらふたりを待ちわびていた。

 「久しぶりに会える、サインもらっとこ…」
 「アーティストはお前のほうなのに…」
 ボーカルくんはわざわざ色紙とペンまで用意して、待ちわびている様子だ。
 俺の彼女だよと屡薇に紹介されて真っ赤になっている真依は、スタジオの隅っこで照れながら仏頂面だった。
 ほんとうは、初めて見せてもらえるFeaRのPV撮影に、ドキドキワクワクソワソワで大はしゃぎしたい気分なのだけど。


 そして、21時の30分前くらい(つまりは20時30分くらい)に、マネージャーさんに案内されたナナと薔はスタジオ入りした。
 あれだけ激しくエッチしていたのに、きちんと30分前にやってきました。

 「よろしくお願いします!」











 打ち合わせにはナナも参加したが、内容はほとんどよくわかっていなかった。
 ただ、今回はかなり本格的なヴァンパイアメイクが施されるようで、ヴァンパイアのナナさんは彼のヴァンパイア姿がはやく見たくてドッキドキもいいところである。
 そして今夜の鴉姫は、ヴィジュアル系メイクのおかげではっきりした顔立ちとなっていた、ほとんど気にされておりませんが。




 顔出しNGのナナは、特にメイクなども必要ないため、それ以前に彼氏のお許しが出なかったため、ちょっと離れたところからひたすら薔のメイク過程を見学というよりむしろ凝視していた。

 (何この子!お肌きれ〜い!てか全部きれいすぎる!アタシ燃えちゃうわ〜!)
 と俄然やる気になっているスタイリストさんは、女性ではなくオネエである。

 「すごい逸材ですよね…」
 「ほんとうに…」
 周りのスタッフも惚れ惚れと見守ったりしているなか、

 「あーあ、残念だったな。ベースの子を怪我させて、予定を狂わせてさ、あいつらをギャフンて言わせたかったのに。」

 ナナは背後からいきなり、聞いたことのある声を掛けられたのだ。

[ 479/537 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]


戻る