※※第191話:Make Love(&Sex aid).13








 どふぅっ…!

 とうとうナナさんは、萌えやなんかが許容量オーバーし原稿をしかと手にしたまんまノックダウンをしてしまった。
 危うく鼻血を垂らすところだった。


 「大丈夫ぅぅ?ナナちゃぁん、」
 すぐさまこけしちゃんが、おっとりにおいての大慌てで駆け寄りナナを抱き起こす。

 「こっ……こけしちゃんさま……こちらはちょっと、すごすぎる……」
 抱き起こされたナナはハァハァと息を荒げながら、あとで改めて真剣に読み直そうといったん原稿たちを興奮によりふるえる手で茶封筒へとしまった。
 腐女子隊の隊員たちは、しばし何が何だかポカン。

 「まままままさか、ごっ、醐留権先生みたいな人が……わっ、わわっ、わたしの、えっと、あの……わたしの薔みたいなひとに、あっ、あんなことをするなんて…」
 そして、真っ赤になりナナが一部だいぶ恥ずかしい内容を呟いた直後に、
 「ええええええ!?なにそれ!?あたしたちも見たい!」
 隊員たちはすぐさま猛烈に食いついた。
 我先にと身を乗り出し、ナナが手にしている茶封筒に興味津々。



 「あのねぇぇ、ナナちゃぁん、」
 「なにかな?こけしちゃん…」
 未だハァハァとしているナナを真っ直ぐに見つめ、にっこにことするこけしちゃんは親友に念を押した。

 「くれぐれもぉ、こぉっそり読んでねぇぇ?今回のはぁ、国家機密レベルだからぁぁ。」











 「何が国家機密レベルなんだ?」

 ナナが承諾をする前に、おそろしいほどに落ち着いた声が端から掛けられた。


 ……ぎくぅぅぅううう!
 ……ぎくうううぅぅぅぅぅ!

 とした乙女たちは、かたほうが後ろ手に茶封筒を隠し、

 「どわあああ!薔ーっ!会いに来てくださったんですかぁ!」
 「良かったねぇぇ?ナナちゃぁん。」

 まるで何事もなかったかのように振る舞おうとした。
 腐女子隊の隊員たちは震撼しながら空気のフリ。


 「おまえ今、後ろに何か隠したろ?」
 薔は何事もなかったかのようにはさせまいとした。

 「いっ、いえ、そんなことは…」
 懸命に言い訳を探すナナだが、特にこれといってしっくりくるものも思い浮かばず、

 ……ぼぼぼっ

 漫画の内容を思い出して真っ赤っかになってしまった。


 「何で真っ赤になってんだよ、」
 「そっ、それは…っ、薔が…会いにきてくださったからで…っ、それ以外には何もなく……」
 問いただされるナナは耳まで赤くしてただただ、しどろもどろとなっている。

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