※※第181話:Make Love(in Landing).104












 「薔くん!今日も放課後はよろしくね!」
 朝からお肌の調子も絶好調の羚亜は、明るく薔へと声をかけた。
 天気は良好、月曜日のお話でございます!


 「今日は来んなよ?」
 羚亜の明るさとは対照的にか、だいぶテンション低く薔は返した。
 なんてったって、彼女とふたりの時間を一秒たりとも邪魔されるわけにはいきませんので。


 「男になるっつっても、どーせろくな事してねぇんだろ?」
 と、テンション低いまま薔がつづけると、

 「ひどいっ!もうちょっと優しくしてよ、俺いまイケメンにすごい腹立ってるんだから!」

 声を張り上げた羚亜は今にも泣きそうになった。


 「何言ってんだ?その顔で、」
 「薔くんっ…!」

 が、すぐさま瞳を輝かせた。




 …――――こけし姉さーん!













 その頃、2-5の教室にて。

 「おおお!こけしちゃんの新作が!」
 瞳を輝かせたナナは、こけしちゃんが手渡したノートを窓から射し込む日光に翳して拝むように眺めていた。

 「新キャラも登場してるからぁぁ。」
 「すごいねーっ!」
 愛猫を擬人化させたこけしちゃんは、朝からニコニコも絶好調。
 いつ彼氏が会いに来るとも知れないこの環境で、ナナは興奮しながら禁断なそのノートを眺めております。

 (相変わらず仲いいな、あのふたり…!)
 あかりは最近、キャッキャとはしゃぐナナとこけしちゃんをドアの陰から見守ることに悦びを覚えていた。


 そんななか、

 「それでねぇぇ、ナナちゃぁん、」

 じつににっこにこのこけしちゃんは、スケッチブックと鉛筆を手にこんなことを言ってきたのである。

 「あたし今度はぁ、漫画に挑戦しようかと思ってぇぇ。」










 「そうなんだ!こけしちゃんはほんとうにすごいなぁ!」
 ナナはさらに瞳を輝かせた。
 漫画の内容については、訊かなくていいんだ。

 「それにはやぁっぱりぃ、ナナちゃぁんの許可を得とかないとぉぉ。」
 「わたしの許可なんていらないじゃん!楽しみにしてるよ、こけしちゃん!」
 そしてナナは快く、親友に声援を送ったのだった。
 いつもノートを楽しみにしているから、無理もないのかもしれない。



 まずは本人たちに許可を取ったほうがいい気もするが、こけしちゃんはやはり腐に於いては果てしなくブレイブハートであった。

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