※※第178話:Make Love(&Punishment game).101








 「それいいなぁぁ、あたしもゾーラ先生ぇにぃ、あだ名考えてもらおうぅ。」
 朝からナナにあだ名の件の一部始終を聞いたこけしちゃんは、じつににっこにこと言いました。
 ゾーラ先生にはゾーラ先生というあだ名がもうあるからね。

 「そうだよ!こけしちゃん!」
 引く頻度は少ないが愛用の辞書を引きながら、ナナは勢いよく応えた。

 「ナナちゃぁんはぁ、ほんとぉぉに辞書が好きねぇぇ?」
 「えっ?いや、あのっ…わたしが好きなのは、辞書じゃなくってね、その…」
 こけしちゃんは親友をからかってさらににっこにこ。




 ううう〜ん……

 ナナは普段はあまり見せることのない真面目な顔で、悩みに悩んでいた。

 (それにしても、どうしてあのひとはエロ薔薇王子が嫌なんだろう?)
 まずは、そこから悩んでみる。

 (エッチだし、薔薇といえばお美しいし、王子様といえばかっこいいのに…)

 ううううう〜ん……





 ……稀に見るぅぅ、真剣なナナちゃぁん……

 あだ名でここまで真剣になれるナナの姿に、こけしちゃんは感銘すら覚えた。


 (んんん?でも、そういえば…)
 とここで、真剣さが功を奏したのだろうか、ナナは閃いたのだ。



 今までに彼女がつけたいくつかのあだ名と、薔につけたあだ名の決定的な違い。

 それは……




 “ちゃん”がついていないことである!




 (なっ、なるほど―――――――――っ!)

 要するに彼のあだ名にもちゃんを付ければ良いのではないかという考えに、ナナは早くもたどり着いた。


 (今日の三咲は珍しく真剣だなぁ…、暮中に言い聞かせられたのかな?先生感動……)
 ホロリとする、吉川先生。
 いつの間にかショートホームルームは始まっていたようです。



 (そうかぁあ!ちゃんをつければいいんだぁあ!)
 閃いたナナは、あだ名に於いては何としてでも負けたくありませんでした。

 (よーし!今回は絶対に、先にいいあだ名を考えてあのひとに罰ゲームをしてもらおう!)

 ……その意気だ、ヒロインよ!

[ 216/537 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]


戻る