※※第177話:Make Love(&Make Love!).9








 何と、本日こけしちゃんと醐留権がやって来たのは、

 立派な、ラブホだった。




 「あぁぁ、イケナイ教師だぁ。」
 と、ラブホの部屋が珍しく物色を始めたニコニコのこけしちゃんは、どうしようもない緊張を解すべく彼氏をからかう。

 「まぁ、そういうことになるね、」
 笑って返した醐留権はさらりと躱す。


 するとこけしちゃんはそれ以上、彼をからかうことも物色もできなくなって、

 「先にぃ…、シャワー浴びるぅぅ?」

 もじもじを復活させ、尋ねてみた。



 春らしい薄手の彼女の上着をハンガーに掛けてから、自らのジャケットもハンガーに掛けると、

 「いや、何せ私はイケナイ教師だからね、」

 ネクタイを解いて、醐留権は笑って応えたのだ。

 「今夜はもう、待てそうにない…」









 跳ねたこけしちゃんの心臓は、ますます加速しだす。
 照明が落とされた部屋のムードも何だか妖しく、大きなベッドがまたさらにドキドキを助長してゆきます。

 「それに、悠香の甘い匂いを、堪能しない手はないだろう?」
 醐留権はゆっくり、彼女へと歩み寄った。















 ――――――――…

 仕事関係の電話をしているらしい夕月は、車にて待機。

 「可愛いですねぇ…」
 逞しいガタイでも控えめに玄関にて、如月は駆けつけた花子と豆を撫で撫でしていた。
 花子も豆も尻尾を振っている。
 こけしちゃんほどではやはりございませんが、わんこたちと戯れる如月はニッコニコだ。





 「すみません、すぐに支度をしてきます。」
 「いえいえ、慌てなくて大丈夫ですよ。」
 薔は彼女と共に、いったん身支度やなんかへと向かい、

 (おぉおわぁぁあ!?敬語!?)

 萌えるナナはある意味、身支度どころじゃないのかもしれない。
 花子と豆は相も変わらず大喜びで如月の相手をしてくれている。







 ふたりとも身支度と言っても、格式張ったものではなくて良かったのだけど、

 「なぁ、ナナ…」

 リビングへと戻り、ふたりきりになったとたん薔は耳もと囁いたのだ。

 「今日はここも…お洒落してこうか、」







 ゆびがそうっと、スカートの上から秘部を撫で、

 「あ…っ、え…っ?」

 思わず躰をふるわしたナナは、頬を火照らす。


 そして、早くも溶かすほどに妖しく、薔は囁きをつづけました。

 「おまえに似合う可愛い玩具、用意してあんだよ……」

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