※※第177話:Make Love(&Make Love!).9












 『花でもあり、刃でもある。』


 護ろうとしているのか、
 壊そうとしているのか、

 いつでも、ただ、愛は。














 久しぶりのデートは話も弾んで、こけしちゃんも腐的なトークを若干封印した模様で、なかなかいいムードのなか会計は醐留権が済ませ、ふたりはレストランを後にした。
 細い月はまた少し、高くから恋人たちを見下ろしている。

 この後はもちろん、ホテルに向かうこととなっている。
 車に乗り込んだふたりは、また会話に花を咲かせながら逸る気持ちを何とか抑えつつ、安全運転で目的地へと向かったのでした。


 ドキドキィィ…

 もじもじは楽しいおしゃべりによりいくらか解れてきたようだが、こけしちゃんの胸の高鳴りも絶好調に最高潮へと向かっております。














 ――――――――…

 道路が混んでいたことが、幸い?むしろあちゃあとなった模様かもしれない。


 インターホンが鳴った時にはすでに、ナナと薔はシャワーを終えてしまっていた。

 「豆ちゃんのお迎えですかね?」
 と、ナナは目をぱちくりさせ、

 「いや、多分夕月さんだな。」
 と、薔はさらりと答える。
 彼はたった今、不在着信に気づいたところだった。




 「ええええええ!?夕月さんですかーっ!?」
 ナナはたいそうびっくり仰天。

 「ででででしたら、早く出ませんと!」
 「おい、落ち着け。」
 そして一足早く突っ走る。



 “ぼくのごしゅじんさまはね、だいすきなまいちゃんにあいにいってるんだ!”
 “一緒にお留守番してましょ?”
 “うん!”
 花子の背を見て育っているのか、豆の悟りの境地といったら。



 モニターで確認すると、インターホンを鳴らしたのは如月のようだった。

 エッチをしていたナナと薔は無論夕食がまだだったため、ちょうど良かったと言いますことで夕月のお誘いでディナーに出かけることと相成りました。

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