※※第164話:Make Love(&Sex aid).10











 いよいよ、やってまいりました、

 《F・B・DX》!

 高校二年生は、それぞれに別々のクラス。
 初っぱなから、授業開始日の学校風景で、始めていっちゃいましょうか。



 …………Are you ready?














 ほへぇ〜…

 と、心ここにあらずと言った雰囲気で、ナナは窓の外を眺めていた。
 隣にはニコニコのこけしちゃんが、どこかしら切なげに寄り添っております。
 ちなみに、草先くんは目立たないところでとりあえず大人しくしている様子だ。


 「こけしちゃん…、わたし、登校したとたん薔と離ればなれになっちゃったよ…」
 「ナナちゃぁん、しっかりぃぃ?」
 2-1から2-5まで、3つのクラスを隔ててふたりはさながらロミオとジュリエットか。


 ふと、ほへぇ〜が抜けないナナを、元気づけようとしたこけしちゃんは、

 「物は考えようだよぉぉ?ナナちゃぁん、」

 ほろぉりとしながら、さりげなく新作を差し出してきた。

 「場合によっては教室でぇ、堂々と読めるからぁぁ…」







 ……はわぁぁぁぁぁあああ!?


 何しろ普段からあまりコソコソと読んではいないのだが、ナナのテンションは上がりだし、

 「こけしちゃーん!」
 「ナナちゃぁん…」

 乙女たちは手を取り合った、かと思いきやナナはしかと禁断なそのノートを手にした。


 そして、

 「それから、こけしちゃん!」
 「なぁにぃ?ナナちゃぁん、」

 たちまちにっこにこの親友へと、ナナは確かめたのだった。

 「さっきからずっと、あのひとのクラスのほうすっごくキャーキャー言ってるよね…」
 「いっそ乗り込んじゃうぅ?」
 「えええ!?」













 高校二年生と言うことは、一年生からしてみると先輩でございます。
 2-1の教室の周りには、すでにかなりの人だかりができていた(※ほとんど女子でたまに男子)。



 「お前年上だろ?俺に頼らずそんくれえ自分でやれよ、」
 「だって要さんが、自分は教師だから薔くんに教えてもらえって言うんだもん…、年上だと思うなら敬う感じでお願いだよ…」
 「あ?」
 ギャラリーには全く興味を示すこともなく、薔は羚亜といささか揉めておる。
 一学期が始まったばかりのこの日に、羚亜は課題の仕上げに入ろうとしている模様だ。



 「やばい…!マジですごい…!」
 「ほんと先輩かっこよすぎる…!」
 新入生はいちおう皆さん、ちゃっかり隠し撮りのための携帯電話も手にしていたのだけど、

 「ちょっと!あんたたち!」

 まるで警笛を鳴らされたかのような声を掛けられた。

 「何もわかってないね!“先輩”は駄目なの!」

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