※※第172話:Make Love(but…Stray).99












 「今日の稽古は、静かだね…」
 「部長も大笑いしてないもんね…」
 この日は、4月16日の木曜日だった。
 稽古が始まって三日目でしたが、ナナと薔は演劇部の活動をお休みさせてもらったんです。
 よって、いつものように集まってきた皆さんはひどく残念そうに帰ってゆきました(なにげに失礼ではある)。



 「何でも、花子ちゃんというかたのお誕生日らしいんだけど…」
 「それってまさか…!」
 そんでもって演劇部の皆さんも含めた皆さんは、閃いた、というか妄想してみた。

 「……お、お子さんかな…?」







 ……お子さんじゃなくて、立派なわんこさんだよ。






 「でも、三咲さんは確か去年の7月に転校してきたから、計算が合わない…」
 「き、奇跡の遺伝子的なやつかな…?だとしたら、ありえなくもない……」

 皆さんの妄想は膨らむ一方です。



 そんななか、

 「部長、極端に元気なくすのはやめてもらえませんか?」
 「愛と勇気だけが…、友達だから…さ……」
 「だめだこりゃ。」

 すでに力つきている部長さんは、ほへぇ〜…と椅子にもたれております。





 まあ、今日ばっかりは仕方ないんで、

 妄想やなんかはとりあえず置いときまして、演劇部員の皆さんだけで劇の稽古を進めてください!















 ――――――――…

 帰宅したナナと薔は、仲良く花子と豆を行きつけのペットサロンへと連れて行きました。
 ちなみに豆は、屡薇のたっての願いで一緒にトリミングを施してもらうのであります。

 何てたって今日はお誕生日なんで、いつもより念入りにきれいにしてもらう予定です!



 きゅぴーん

 とする花子と豆が待つなか、カウンセリングにて要望を伝えておりますけれど、

 (かわいらしい首輪がまた、入荷しておりますので……)

 スタッフさんがたの妄想力も、逞しいのでございます。






 豆は花子と一緒なため安心しているのか緊張している様子も特に見せず、無事にトリミング開始となりました。

 ナナと薔はいったん帰宅して、花子のお誕生日パーティーの準備でございます!

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