※※第171話:Make Love(&Pain).98
「…――うううっ…!今回のお話は、感動的ですね…!」
演劇部の部室にて、台本を読みながらナナはホロリとしておった。
「でもちょっとこの漢字が…、読めないです…」
「どれだ?」
そして、難読(じゃなくともか?)漢字の読みはきちんと隣の彼氏に教えてもらっております。
「あ〜はっはっはっはあ!またこの日々が始まったよ!あははははは!」
大会を終えると引退の和湖部長は、腹を抱えて大笑いしている。
(変人部長…、再び……)
周りはそう思っている。
「すっ、すごいおふたりが出演してくださるんだね…!」
「演劇部に入って良かった…!」
新入部員たちは、変人と化した部長にはいっさい危惧もせずとにかく大興奮。
「…相変わらず落ち着きの無え部活だな、」
「薔っ!この漢字も教えてください!」
やや呆れ気味の薔の制服を、ナナがくいくいと引っ張っている。
「おまえ、さすがにこれはわかるだろ。」
「わからないから聞いてるんですよ!」
…いったい何て漢字なんだ?
……羨ましすぎる……
周りが惚れ惚れとしているなか、
「だっはっはっは!ダメだこれ、お腹痛い!」
「和湖くん、落ち着こうよ!」
和湖部長だけは高らかに笑いつづけ、効果はまったくないと思われるが横科がなだめておった。
テスト二日目もめでたく終了し、本日はきちんとお弁当を持参して、ナナと薔は放課後は演劇部の活動に参加でございます!
「はははっ…、で、ではっ、今回の…劇の、主旨をっ…、ふははははははっ…!」
大笑いが止まらない部長さんは、何とか劇の主旨についてを説明しようとしております。
いっそ代役でも頼めばいいのに。
「あいつ俺の顔見て笑ってねぇか?」
「それは絶対にないと思いますがーっ!」
「あっはっはっはっはっはあ!」
……三咲さんにはおそろしく賛同だが、いっこうに進まないなぁ……
部員たちと、噂を聞きつけ集い始めたギャラリーは、ウフフ。
「もうっ!部長!引っ込んでてください!ここは僕が説明します!」
「た、頼むわ、箕島(みしま)くん…!ははははははっ…」
ここでとうとう、前回まったく目立たなかった副部長くんが、見かねて説明を買って出た。
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