※※第170話:Make Love(&Healing).97






 「はぁ…っ、はぁっ、あ…っ、」

 再び潮を吹きながら、荒く息をするナナの躰は仰向けにされていた。


 …ッ…くちゅっ…

 「ん…っ、ふ…っ、」

 薔は彼女のくちびるに、いきなりディープなキスを落としたかと思ったら、

 グッッ――――…

 前からアナルへと挿入し始めた。


 「……っん!ん…っ、」
 今日はアナルプラグで乱されていたこともあり、けっこうスムーズに挿ってしまう。

 「……っは、っ…」
 細く、唾液の糸でも繋がるように、くちびるを離してゆくと、

 「悪りぃな…前からでも、突くのはこっちだ、」

 乱れた彼女の髪を撫で、薔は動き始めた。







 グチュッ…グチュッ…

 「あ…っあんっ、あ…っ、あああっっ…」
 ナナは後ろでも感じすぎて、次々と嬌声を上げる。

 「く…っ、……きつ…っ、」
 汗を流し、腰を振りながら薔は少しくるしげに歯を食い縛る。



 「はう…っ、」
 弓なりに躰を反らした彼女の両手に、彼は両手を重ね、ゆびを絡めてきて、

 「あ…っあ、っン…」
 「……っ、は…っ、」

 ナナと薔は視線を絡めると、

 …ッ…ちゅっ…

 舌と舌も絡めていった。





 「ん…っ、は…あっ、」
 ふたりして絶頂まで、あと、僅か。
 離れたくないという激情を、ゆびに込めて、繋いだ。


 欲しがることを止められはしなかった、ただ深く、どこまでも深く、狂えるほどにふたりは愛しあっているのだから。
















 ――――――――…

 遅めの夕食となりましたが、ふたりでイチャつきながら作って食べました。
 結局、屡薇は豆を迎えには来なかったため、豆は花子と仲良く眠りに就いたのです。




 しばらく、眠りに落ちた薔の寝顔を見つめてから、ナナも眠りへと落ちていった。
 夢の中でも手と手を、繋げるようにと願いながら。






 …――――しかし、この夜こそが、

 赤と黒に染まる悲劇の幕開けだった。















  ―Please kill me,I love you.―

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