※※第162話:Make Love(&Sneaking).92






 グチッ…グチッ…

 「……っくぅんっ、んっっ、」

 誰も来ないことを言われた通りに祈りたくても、気持ちがよすぎて意識はすべて快楽へと持ってかれてしまう。
 ナナは死に物狂いで、片手で口を覆い喘ぎを堪える。


 「奥まですげえ興奮してる…」
 幾度となく突いて、乳房を愛撫しながら薔は耳を甘噛みし、

 「こういうとこでされんのも…好きなんだもんな?おまえ…」

 ふっと、笑って。



 彼とするセックスは、何処であっても何時であっても嫌じゃなく、スリリングも全て快感に変えてしまうのが彼であるのだから、

 「ん…っん、っぅ…っっ、」

 棘で的を射られたみたいで、ナナの中は切なく収縮する。

 「俺だけに淫れるから可愛くて仕方ねぇよ…」








 グチュッ…グチュッ…

 蜜に溢れ蕩けた膣は、何度も何度も最奥まで彼を受け入れ、離さないで…と強請るかのよう吸いついて求め、

 「は…っ、んん…っ、」

 ナナにはまたしても、えもいわれぬ限界が訪れた。

 「…――――――っっんっっ!」







 「……っ、は…っ、」
 収縮を感じた薔は切なげに息を上げ、つよく彼女を抱きしめると、

 「いいよ…、その調子で次はたくさん搾り取れ…」

 グッ、グッ…

 腰づかいを速めた。



 「……はぅっっ!?」
 ナナは躰を反らす。

 チュッ…チュプッ…

 乳房は揉み上げられ、乳首はくちびるに挟まれ扱かれたり舌で乳頭を撫でられたりと弄られ、敏感に膨れ上がり、

 「……っっ、くぅっ、ふ、」

 戦慄いた彼女はすぐにまた絶頂を得たのだった。

 「っっ…っううんっっ!」

 ビクビクンッ…!ビクンッ…!






 「……っ!」
 ほぼ同時に、薔も勢いよく射精をし、

 ドクッ…!ドクッ…!

 鼓動は合わさるかのごとく、精液は子宮を目掛け。




 「はぁ…っ、かは…っ、」
 ナナの躰は激しくふるえ、彼女は濡れたくちびるからとうとう手を離してしまい、

 「口なら塞いでやるから…構わず腰振りな?」

 汗で艶めく髪を片手でかき上げ、微笑みかけた薔は容赦なく深くへと突き上げた。

 「おまえん中が悦すぎて、俺も狂いそうだ…」









 くちゅっ…

 そして、奪われたくちびる。

 「……っん、ふ…っん、」
 声が響かぬようにと、これは彼のやさしさか?
 狂えるほどの愛しさか?


 すべてを流し込むのか、絡まる舌も、性器も熱く炎焔みたいで、

 ビクンッ…

 靴を履いたままの、つまさきまでふるえている。



 …――――もしかしたらここには誰一人として、

 辿り着くことなどできやしないのでは?

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