※※第158話:Make Love(&Make Love!).8







 (あれれぇ?)
 ナナは目をぱちくりさせた。

 帰ったらすぐにお仕置きかと思いきや、薔は夕食の支度へと取りかかってしまったのだ。





 「あ、あのっ、」
 「なんだ?」
 対面式キッチン越しに、問いかけようとしたナナだったが、

 「えっと、その…」

 まさか“お仕置きはまだですか?”とも訊けず、もじもじと口ごもる。


 すると薔は、

 フッ――…

 と、不敵に微笑みかけると、

 「腹減ってんだろ?おまえ、」

 準備を続行したのです。



 それもその通りだった、ナナさんは、

 「おっ、お手伝いしますっ…!」

 一緒にキッチンへと。




 「何で耳まで赤くなってんだ?」
 「いやっ、それはっ、その…って、…んあっ、」
 やさしくふにふにされて、ビクンとなっちゃうナナ。




 “ウフフ…落ち着きますね…”
 午前中、かなり久しぶりにご主人さまとふたりっきり散歩を堪能した花子は、リビングで優雅にウキウキでございます。















 ――――――――…

 こくぅぅん…

 恥じらいながら、こけしちゃんは小さく頷き、

 「可愛いね、」

 笑った醐留権はまたまたキスをしてくる。

 ちゅっ…




 それは頬や、くちびるの近くを愛撫するようなキスで、

 「……っんぅっ、」

 ぴくんっ…

 こけしちゃんの躰は、反応し始めて。


 「はぁぁ…っ、」
 吐息が、熱く乱れる。


 「悠香はすごく、甘い匂いがするよ?」
 まさかパンケーキの残り香でもないだろうが、醐留権は耳もとクスリと笑って、

 「そんなぁ…っ、……んんぅぅっ、」

 こけしちゃんはますますふるえちゃいます。




 ギッ…

 ゆったりとした座り心地のソファは、時折、軋んで。


 「はぁぁ…っん、……ぅんぅっ、」
 吐息や声は、部屋へと響く。



 やがて、彼のくちびるはふっと肌を離れ、

 「続きはベッドにしようか、」

 おでこにもくちづけた醐留権は彼女を抱きかかえた。

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