※※第157話:Make Love(&Endearment).88
「あぁぁ、この服可愛いぃ。」
「こけしちゃんに似合いそうだよ!」
「ほんとだあ!」
ナナとこけしちゃんと愛羅はまず、ショッピングモールでキャッキャとしておりました。
ちなみに、アミューズメントパークに併設されている型のです。
「これはぁ、ナナちゃぁんに似合いそうぅ。」
「あっ!ほんと!」
「えっ?そうかな?えへへっ、」
新作の入荷もあったようで、いろいろと手に取って可愛らしい洋服を眺めているなか、
「わたしはいつもなんだかんだで、全部薔が決めてくださるからなぁ、こういうの自分ではよくわからないんだ、すごく可愛いとは思うんだけど。」
ナナさんは、はにかんだ。
……さすが!
さすがぁぁ。
周りは感心した(※こけしちゃんはそれ相応に変換されました)。
「あああ!何か今すっごく、三咲さんが可愛いと思って抱きしめたいけど後がこわいからやめとく!」
「ほんとぉ、後がねぇぇ。」
「ぇぇえ!?」
乙女たちも大変、盛り上がっておりますよ!
――――――――…
「二度と俺のナナを使うな。」
ベンツ内の上座(左ハンドルでも後部座席の右側だよ)にて、薔のご機嫌ななめは相当である。
「すまないね、私も切羽詰まっていたのだよ。」
と、運転に集中する醐留権は告げて、
「その阿呆面でか?」
座席にふんぞり返る薔は不機嫌極まりなくこう返してきた。
「あぁ、今日ばっかりは阿呆面でも構わないさ。」
「いつもだぞ?」
「なに!?」
……今、運転中なんだけど…
(阿呆面…かな?)
醐留権をちらりと見て、はてなマークを浮かべる羚亜はとりあえず助手席で大人しくしております。
ゾーラ先生は特に切羽詰まってもいなかったし、車内には美形キャラしかいないわけなんだけど、
「だいたい、あんなん結婚詐欺に遭わねぇほうがおかしいだろ。」
「まったくその通りだ、私に掛けてきた数々の迷惑を省みれば、結婚詐欺のひとつやふたつどうってことないだろう。」
「俺はそこまで言ってねぇよ。」
薔と醐留権は徐々に、打ち解け始めた。
(身内がいるとは思えない会話だ…、愛羅さん今日はショッピングモールだって言ってたな…)
羚亜はひとまず、車窓から、流れゆく景色を眺めていたんだとさ。
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