※※第127話:Make Love(&Pruriency).67










 …――――激しく求め、狂わせてくれ。





 指先にまで、潜む狂気が、


 『ただ、おまえの熱を求めるから。』

















 「花子ちゃん!?」
 何事かと思ったナナは、すぐさま寝室を飛び出した。
 待ってろって、言われてはあるんだけどね。

 ナナが飛び出すと同時に、

 バン――――…!

 花子も部屋を飛び出しまして。


 「花子ちゃん!?いったい何事ですか!?」
 「ワン(変なのが来てるの)!」
 乙女たちは玄関へとまっしぐらでございます。








 ハァハァ…

 息をきらすナナと花子が、玄関へ駆けつけますと、

 「おい、」

 堂々たる態度で、薔は言ったんだとさ。

 「静かにしろよ、今何時だと思ってんだ?」




 ナナは大声で返した。

 「今何時でございましょう――――――――――っ!?」

 うーっ、ぅーっ…(※何事もなくて良かったです!なエコー)














 0時23分

 でした。


 「あのぅ…、」
 「なんだ?」
 リビングにて、落ち着いてきたナナは薔へと問いかけた。

 「誰も…、来てなかったんですか?」

 と。



 それは、駆けつけたとき玄関には彼しかいなかったが故の質問で、

 「あぁ、実はな、」

 特にどうということもなく、薔は明かしたのだった。

 「どうやら俺の血が、狙われてるみてぇだ。」

















 ――――――――…

 屡薇を抱えて連れ帰ったルイは、とある古ぼけたアパートの一室へと入っていった。




 「…汚ならしい部屋だな、所詮はこの程度か、」
 部屋を見渡し、吐き捨てるように言う。

 ギッ…

 そして屡薇を、この部屋に似つかわしくないほどの立派なソファへ横たえると、

 「しかしお前の母親が遺したこいつだけは、今でも綺麗だ。」

 笑った。





 スッ――――…

 ルイは屡薇の額へと、手を翳す。

 「本当はあのやり方は、正式ではないのだよ?」



 「ぅ……」
 一瞬、屡薇はひどく苦しげに呻き、

 「だが“あれ”をやられてしまうと、」

 不気味に微笑むルイはその手のひらで、あるものを抜き取った。

 「“F・B・Dは彼女にしか機能しなくなる”からね。」

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