※※第１４２話:Make Love(&Melliferous).78

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　「んはぁ、これも美味しいです…！」

　ベッドのうえで、エッチな運動をしちゃったあとです。

　ソファにて、ナナは一口ずつ噛みしめながら、もう一個マカロンを美味しく戴いておった。


　“ナナちゃんのあの顔、見ているだけでおんなじ顔になっちゃいそう…”
　ウフフとする花子は、優雅に寄り添います。





　もちろん薔は只今、夕食の準備をしておりますが、

　「薔も召し上がりますかっ？」

　ナナどうやら、彼と一緒に彼がくれたマカロンを食べたい模様だ。


　すると対面式キッチン越しに、薔は堂々と返してきた。

　「おまえをか？」






　ほげえ――――――――――――――っ!?






　ナナは瞬く間に、真っ赤っか。



　「先ほど召し上がりませんでしたっけーっ!?」
　「おまえだったらいつでも喰えんぞ？」

　…ぷぎゃぁぁぁぁぁあああ！





　嬉し恥ずかしさの余り、沸き上がるかのようなナナが口をパクパクさせていると、

　「美味ぇのか？」

　一段落したのであろうな彼は、隣に並びました。



　「え？お菓子のことですよね？」
　「おまえが美味ぇのは知ってんだよ。」

　…きゃわあああああ！





　否応なしに、手はふるえてしまうなか、

　「すっごく美味しいですよ？…えっと、あーん…ですよね？」

　ナナはマカロンをおもむろに、彼へと差し出しました。



　「次からは確認すんなよ？」

　と、言い聞かせた薔は、一口かじってみた。






　(か〜わいいーっ！)

　ナナはふにゃんでございますが、

　「おまえが食わすと何だって美味ぇな、」

　……うっきゃああああああ！

　またしても真っ赤っかとなった。





　そんなこんなで、赤面しふるえておりますと、

　「ん、」

　シャラ――――…

　いつの間にか、取られていた手にはブレスレットが捧げられていたのだ。






　「うわぁ…！ありがとうございます！」
　イエローゴールドにダイヤのハートが可愛らしく、ナナは見とれて、

　「こいつはお揃いだからな？」

　同じものを付けて、薔は笑った。





　「ほんとですよーっ！」
　彼の腕を取って、まじまじと眺めてみたナナは、

　「いや、ほんとうにもう、うつくしいと言いますか力強いと言いますか…」

　どうやら彼の腕にまず見とれてしまったようであるが、

　「んんん？」

　留め金の部分で、あることに気づいた。

　「何か書いてあります…」









　「“ＳハートＮ”ですね…」
　まず彼氏の刻印を読み上げたナナは(※ハートはあのハートでございます)、自分のも見て、

　「こっちは、“ＮハートＳ”でした…」

　やはり、読み上げた。




　ずっと彼女を見ていた薔は、クスリと笑うと、

　「俺はおまえを愛していて、おまえは俺を大好きだってことだよ。」

　そのまま手を取った。

　「飯にすっか、」








　「もう薔のお言葉でお腹いっぱいなくらいなんですけどーっ！」
　「なら、食わねぇのか？」
　「いただきます！あっ、でも、薔が食べかけのこちらも、いただきたいんですけど…」




　“あぁ、落ち着く♪”















　――――――――…

　「ハニーぃ！ただいまぁ！」
　残業をしてきたナナ父は、妻へと明るい声を掛けた。

　「雅之、お疲れさま。」
　玄関にて微笑むナナ母は、パイクロを頬張っている。



　そんななか、

　「ハニー、知ってた!?」
　ナナ父はなんだか、大きなスーパーの袋を下げていて、

　「ハリーから聞いたんだけど、今日は愛する女性にめいっぱいの感謝をする日らしいよ！」

　妻へと差し出した。

　「いつもありがとう、マイハニー！」








　「雅之ったら、ハリーさんに救われたわね。」
　「どういうこと？」

　袋いっぱいのお菓子に、ナナ母はなにげにめっちゃ喜びまして、

　「ありがとう、雅之。」

　微笑んだ。




　「ハニー…！うつくしい…！」

　ナナ父、大感激。




　「ご飯の前にお菓子食べる？」
　「えええ!?お菓子の前にハニーの作った美味しいご飯が食べたいよ!?」











　……ホワイトデーは、いっぱいの愛がめでたく深まったところで、

　物語は、土日へとつづきます！













　　…――I love you and you love me.

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