※※第142話:Make Love(&Melliferous).78







 「あふっっ!」

 ナナは達する。


 ギシッ…ギシッ…

 ベッドは一層、軋みだす。





 「おまえが欲しがるなら、この激しさも優しさだ…」

 薔は突きながら、汗に濡れた髪を片手でかき上げ、

 「ん…っ、んっ、」

 ナナはぎゅうっと、彼にしがみついた。

 「そ…っ、れす…っ、」








 「ほんと、何から何まで可愛いやつ…」
 背中を撫で、耳もとで彼はフッと笑って。

 「んんっっ、あぅ…っ、」

 ビクッ…ビクッ…

 つまさきまでふるわすナナは、唾液を垂らして喘ぐ。



 そして、

 「いくら無自覚の可愛さでも、俺以外には見せんなよ?」

 薔は耳へキスをして、吐息を吹き掛けるよう囁いた。

 「おまえのすべては、俺のもんなんだから…」







 「んっ、ん…っ、」
 従順に返事をすることは、ままならないくらいなのだけど、

 「今…すげえ締めたな…、それが返事だろ?」

 くちびるは再び奪われた。

 くちゅっ…








 「は…っ、あ…んっ、」

 こわいくらいにお見通しだ。
 その通り、こころもからだも余すことなくすべて彼のものだ。


 それすら悦びで、至上のしあわせだ。





 グチッ…ギチッ…

 舌と舌を絡め、性器と性器も絡めながら、

 「ん…っ、んんんっ、」

 ナナの躰は戦慄き、絶頂を得た。

 「んっ、ん…んんんんんっっ!」







 「……っ、あ…っ!」

 抱いて躰を反らし、薔も中へと射精する。



 「はぁっ、はぁっ、」

 熱く混ぜる吐息のなかで、唾液は淫らに煌めいて、

 ドクッ…ドクッ…!

 精液は勢いよく、子宮目掛けて注がれる。





 「いっぱい出ちまったな、」
 「ん…っん、あっ…ん、」

 ちゅっ…

 動きはずっと、止まず、薔は涙にもくちづけて、

 「けどもう少し、おまえん中にいさせろ…」

 切なく甘い言葉で、縛りつけるように囁いた。



 「ん…っ、んあっ、」
 応えは、収縮で。




 体液は中で撹拌し、溢れてくる。
 溢れてくるからまた欲しくなる、一途で淫らな欲望。

 …――――ただ、あなただけをしきりに欲しがっている。

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