※※第134話:Make Love(+Sex aid).72







 ふたりぶんの携帯電話が、着信を告げました。



 「まさか同時に掛けてくるとはな、」
 笑った薔は、汗に濡れた髪を片手でかき上げると、

 「ほら、」

 ナナのほうも一緒に手に取り、彼女へと差し出し言ったのです。

 「出てやれよ。」






 ビクッ…

 ソファの上だけど彼の下にて、ナナはふるえながら返す。

 「れも…っ、まらっ、挿っ…っ、」







 「なら、抜いていいんだな?」
 「や…っ、抜いちゃ…っ、」
 イジワルに確かめられ、ナナが必死で引き留めると、

 フッ――…

 と笑った彼は、ふたりぶんの電話を繋げちゃったのだ。





 「……っ、はっ、ン、」

 耳へ、当てられる。

 この状況にもナナは、ひどく感じてしまっていた。
 だから、困っちゃうんだけどね。
















 「ナナちゃぁん、もう昨日になっちゃったけどぉ、ほんとありがとうぅ。今ねぇ、ゾーラ先生ぇと一緒にいるんだぁぁ。」
 こけしちゃんはニコニコと、ご報告をしました。

 「こんな時間に、すまないね、じつは、」
 醐留権も笑って、報告をしようとした。




 すると、向こうではなんやかんやの、音が聞こえる模様で。



 『お前ら一緒にいんだろ?だったらいちいち掛けてくんな、こいつ今よがってっからまともに喋れねぇんだよ。』
 「なんだと!?」

 とにかく感心する、醐留権。


 『よかっ…ぁえっ、こけしちゃ…っ、…んっ、ぁっ、』
 「あぁぁ、ナナちゃぁんたらぁぁ…」

 こけしちゃんはうっとりと、照れまくり。





 …………確かにまともに喋れてはいないな、まったく。

 醐留権の感心、再び。







 そんでもって、

 『おい、まだ可愛い声出すんじゃねぇよ、あいつらに聞かせてぇのか?』
 『ちが…っ、…やっ、そこっ、ら…』

 プツッ…

 ほぼ同時に、切れた。











 ツーッ…ツーッ…

 「………………。」

 うまい具合に最中の電話で、触発されちゃったようです。






 「ゆ、悠香、」
 醐留権は、彼女の火照る頬にそっと触れると、

 「キス…してもいいかい?」

 近づいた。



 「はいぃ…」
 こけしちゃんはすでにぽぅっとしてしまっていて、素直に瞳を閉じたのだった。

 チュ――――――…





 くちびるは熱く、重なった。

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