※※第132話:Make Love(&Apical).70
「ニャー、」
ゲイちゃんは、猫なで声でこけしちゃんの足元へとすり寄る。
「あぁぁ、ゲイちゃぁん、」
こけしちゃんはニコニコと、ゲイちゃんを抱きあげて、
「あたしぃ、誕生日より一足先にぃ、大人になった気分ぅぅ、」
ポロポロッ…
泣いた。
ペロペロとゲイちゃんは、そのほっぺを舐める。
「そうだよぉぉ、その瞬間にゾーラ先生ぇと一緒にいれたからぁ、それでいいんだよぉぉ…」
こけしちゃんは泣きながら、必死で自分へと言い聞かせていた。
……どうなる?こけしちゃんズバースデー。
――――――――…
ピンポーン
そしてこちらでも一波乱、ありそうな気配が。
花子も特に鳴かないため、薔が玄関へと向かいますと、
「こんばんは、」
そこには醤油のボトルを手にした、屡薇が立っていた。
「レコーディングとかあってさ、返しに来るの遅くなっちゃった、」
「いっそ返しに来んな。」
屡薇はあっけらかんと笑って、薔は不機嫌に諭す。
「え?もらっていいの?これ、」
「やるよ。」
……屡薇くん、お醤油ゲット!
「でさぁ、お願いもあって来たんだけどさぁ、」
「またかよ、」
ところがここで話は、終わらない様子で、
「じつは新曲が完成してさぁ、そのPVの回想シーンで、歌詞のイメージに合った女性を出してぇんだけど、いいモデルさんとかが全然見つかんなくてさぁ、」
こんなことを、屡薇は言ってきたのだ。
「出てほしいんだよね。」
「お前な、俺のナナは確かに可愛すぎるが駄目に決まってんだろ。」
薔は即断ろうとした。
すると、
「あ、大丈夫、俺が出てほしいのはお宅の嫁さんじゃなくて、」
屡薇は続けた。
「薔ちゃんだから。」
…――Ups and downs continue.
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