※※第124話:Make Love(&Lewd).65






 (ぎゃあああ――――――――――――っ!)


 再び萌えの大絶叫をこころであげたナナさんは、手を彼の後ろでストップさせたまんま全体の動きも止める。
 鼓動と息づかいは、どうやっても活発になる一方ですが。

 そんでもって、

 (いっ…、いい今、何時!?)
 とうとう若干鼻息まで荒くし、後ろの壁に掛かった時計を見ようと試みたのだけど…、

 …――――――――無理だ!

 とてもじゃないが、からだを動かせる状態ではなかった。




 (これ以上よじったら、このひと起きちゃうよ!)
 なるべく首から下は動かさないよう心掛けているため、時計に視線が辿り着くのは至難の業で。

 (あっ、でも、もっ、もうちょっと!)
 しかしナナは必死になって、僅かながらにちからを入れてしまい、

 「ん……?」

 薔は目を、覚ましてしまった。






 ……はわわわわわわぁ!?


 慌てふためいたナナは、真っ赤っかになって小さく朝のご挨拶。

 「ぉ…、おはょ…う、ござぃ…ます…」





 「おはよ、」
 まだ眠そうな薔は、抱きつく体勢のまま彼女の髪を撫で、少し鼻にかかった声で微笑み返します。


 キュン…っ

 と、してしまったナナは、

 「あ、あのっ…、」
 「ん?」

 控えめに、尋ねてみた。

 「時計を、見たいので、少しだけ、離して…いただいても、よろしい…でしょうか?」

 と。





 「やだ。」
 ちょっとムスッとした薔は、甘い声で即答で、

 「おまえ離しちまったら、寒ぃだろ?」

 すり寄るみたいに、またまたさらに抱きついてきた。





 (うっきゃ――――――――――――っ!)

 ※本日も朝から、ナナのこころの大絶叫は絶好調です。




 「でででででしたら、あああのっ…、ふふふっ、服を着てくださいよーっ!」
 「いらねえ、おまえが一番あったけぇんだよ。」
 「んええ!?」

 …これは朝からちょっと、甘えたモードのようだ。



 そして、そもそも時計は、

 薔からは見えたと思う。


 でも、ナナしか見てないか!

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