※※第121話:Make Love(in Splash).62
「いやぁ、醐留権先生、暮中はやっぱり、バスケに出るんでしょうか?出ちゃうんですよねぇ?」
「は?」
休み時間、バスケ部の顧問である崎多川先生は、醐留権へとホロリとしながら近寄ってきた。
ここでようやく明かしますが、崎多川先生とは、あのちょいワイルドイケメンな体育の先生のことでした。
「あの子凄いんですよ…、ほんと惚れ惚れしちゃう…、けど、お手柔らかにお願いしたい…、あ、醐留権先生、今度飲みにでも行きません?」
「はぁ…」
どさくさ紛れに誘われた醐留権は、断る理由を思案すべく眼鏡をくいっとさせた。
まさにそのとき、
「それから、醐留権先生、」
「何でしょうか?」
未だホロリ気味の崎多川先生は、こんなことを言ってきたのだ。
「さっきからずっと、桜葉がこっち見てますけど…」
「なに!?」
慌てて醐留権が振り向くと、なぜか瞳をキラキラァとさせているこけしちゃんは、背後に立っておりました。
「桜葉、どうしたんだい?」
醐留権は微笑んで、尋ねたのだけど、
「…ゾーラ先生ぇ、浮気ぃぃ?」
たいそうぽわわんとするこけしちゃんは、すごいことを聞き返してきた!
「は!?」
目の前にいるのは今まさに付き合ってる彼女だし、醐留権は焦って弁明しようとした。
すると、
「バスケでは勝てないからぁ、ヤキモチかなぁぁ?でもねぇ、うっかりしてるとぉ、寝取られちゃうよぉぉ?」
こけしちゃんはここまで、続けちゃったのだ!
…………何だ?その設定は。
美形キャラなのにも関わらず、醐留権はポカン。
そんでもって、
「崎多川先生ぇもぉ、誘うならもぉっと、密やかに誘わないとぉぉ。」
「す、すまん、今度からはそうする。」
生徒(というか腐女子)の指摘に、素直に頷く崎多川先生。
「ではぁ、お手柔らかにぃぃ。」
やがてニコニコと手を振りながら、こけしちゃんは職員室を後にしたのでした。
「…桜葉、何か用があったんじゃないのか?」
「そうですよね…」
あわよくば教師×教師が見れたから、大満足なんじゃないの!?
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