※※第121話:Make Love(in Splash).62
「暮中!」
吉川は、思いきり元気な声を薔へと掛けた。
「あ?」
それまでナナにちょっかいを出していた薔が、ようやく担任を見る。
彼女との戯れを邪魔されちゃったため、雰囲気はそら険しいでございますが、
「もちろん球技大会は、バスケに出てくれるよな!?」
思いきり元気なまま、吉川は確認してみた。
すると、薔の返答は、こうでした。
「出ても、いいのか?」
……………えええ!?
なにこのいつにもなく、けなげな反応!
「おわっと!危ない、吉川先生!抱いてはいけない気持ちを生徒に対して抱くところだった!」
「………………。」
なぜか赤面する吉川は、息を荒げ胸を押さえる。
(妻子持ちなのにぃぃ。)
すかさずこけしちゃんの瞳は、キラァン。
……うん、あのね、このクラスの副担はゾーラ先生だから、そんなに慌てることないよ?吉川先生(※どういう意味だ?)。
「ももももちろんだとも、暮中、お前にバスケ部の影の支配者を泣いて頼み込んだ崎多川(きたがわ)先生も、今回ばかりはいいって、泣きながら言ってたから!」
「ふーん、」
…君、影の支配者だったんだ。
このとき、隣の席のナナさんは、
(可愛すぎる…)
けなげさに、ホロリ。
そんでもって、
「なら、出てやってもいい。」
「おお!珍しく返事がツンデレっぽい!ありがとう!いつもこうだと助かるけど、ある意味困るか!」
「あ?」
新しい扉を開く前に、吉川の自制心はきちんと働いたようで、
「みんなも、どれに出たいか自分の希望を言うんだぞ!?出たくないっていう希望だけは、正直やめてほしい!」
生徒たちの出たい種目を、確認していったんだとさ。
ここで!
1-5のメインキャラの、球技大会の出場種目、発表です!
・ナナさん→じつはこけしちゃんにつられて手を挙げただけ(※バスケにしたところで男女別だし)!ボールはなるべく優しく投げよう、な、バレーボール!
・薔→言わずもがなだけど、発表しちゃお。じつは幼い頃からバスケをやっていたようだ。手加減するつもりは…ないだろうね、バスケットボール!
・こけしちゃん→小柄だけどぉ、こう見えて跳躍力あるのよぉぉ?球技大会の真の魅力は、玉(球じゃ…)を巡ってぶつかりあう男同士の汗!バレーボール!
・羚亜→球技はじつは、あまり好きではない。でもこの機会に薔より、ルールとかを教えてもらおうと思っている!だから否応なしに、バスケットボール!
ゾーラ先生は教師なので、なにかしらのパフォーマンスを期待してみようか。
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