※※第115話:Make Love(ClimaxW).57







 カーテンの隙間から見える外が、明るくなるまで繋がりつづけた。


 「はぁっ、はぁっ、」

 乱れきったベッドのうえ、まだ挿ったままつよく抱きしめあう。




 「あ…のっ、」
 「ん?」
 薔が髪を撫でるなか、ビクビクンッとふるえながらナナは吐息混じりに告げた。

 「お、粥…っ、まら、残っ…ますっ…」

 と。




 「あぁ、ちゃんと残さず食うよ、」
 「や…っ、も、動いちゃ…っ、あ…ぁっ、」











 そして朝食には、ナナが作った白いお粥を薔が戴き、薔が作った朝食をナナがたらふく戴いたんだとさ。










 そんでもって、

 「ワン(いってらっしゃいませ)!」

 花子のお見送りとともに、一連の騒動についてはいっさい存じ上げていない、

 学校へと出発です!















 手を繋ぎ登校していったナナと薔を、さりげなく見送ってから夕月は反対方向へ歩きだした。

 「送ってやる写真が、また増えちまったな、」





 今日の空は、青く晴れ渡っており、

 「どんな困難も成長に変えろ、お前たちなら出来るはずだ。」

 優雅に歩きながら夕月は、言葉を青空へ浮かべたのだった。








 …――――それはまるで、

 未だ潜む暗闇を、
 覆い隠すかのように。















 ――――――――…

 「うう〜ん…」

 この日、とある株式会社の社長が、けっこう朝からうんうんと唸っておった。

 「発送をもってかえさせていただくって、言ってもさぁ、この高校明らかにすごすぎだよねぇ…」






 その社長さんは、髪は薄いがわりと腹は厚いほうで、

 「仮に29種類、全部当たったとしてもなんだか申し訳ないな…、抽選の無慈悲さよ…」

 ポリポリとあたまをかきながら、

 「うう〜ん…」

 再び唸った。





 「一日中緑茶が好きなのかはたまたザザえもんが好きなのか…」

 それは何も隠すことなく、ザザえもんなんだけど、

 「よぉ〜っし!」

 意を決した社長さんは、とある提案をひとりごちた。

 「ここは社長のわしが自ら、賞品を送り届けよう!近場だし!」

 ってね。






 「でも、仮に29種類、全部当たったとしてもなんだか申し訳ないから、」

 そして太っ腹社長は、瞳をキランとさせてフッフッフッと笑ったのだった。

 「予算の関係でお蔵入りとなった、あの、“幻のゴールデンザザえもんバスタオル”もついでにあげちゃおっ!」








 …それ、ついででいいんかい!?






 そんなこんなで近々、

 “ゴールデンザザえもん旋風”なるものが巻き起こっちゃうのかもしれません!

















  …――It's inrush at new episode!

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