※※第112話:Make Love(&Lick).54
捕まったが、さいごか、
…――――愛はやさしい猛毒。
冬休みも、残り僅かというこの日。
ドキドキなのかワクワクなのか、それともエロエロなのか、
とにもかくにもナナと薔は、一泊二日の旅行に来ておりました!
「……ささささ寒いっ…!」
普段とはかなり違う気温に、ナナはまずおったまけだ。
「大丈夫か?」
彼女の荷物も持っている薔は、更に一枚羽織らせまして。
「あっ、はいっ、」
ナナはすぐに、頬を赤らめた。
寒かったけれど、寒くはなくなったからだ。
とりあえず、チェックインの前に荷物を預かってもらうべく、ふたりはタクシーで宿泊先へと向かったのでした。
「ワン!」
花子は尻尾をフリフリ、お座りをして待つ。
「ああ〜、ほんっと可愛いなぁ、花子ちゃんは!有休取って良かったぁあ!」
ささみチップスを手にするナナ父は、感涙にむせておる。
「雅之、そのささみチップスはどうしたの?」
“キャラメルコーン”を頬張るナナ母は、問いかけまして、
「ハニー!そこのコンビニで買ってきたんだよ!」
素直に返すナナ父。
「ダメよ、薔くんがちゃんとここに、必要なものは全部持ってきてくれたんだから。」
「えぇーっ!?」
サクサクと妻が言い聞かせると、
「花子ちゃん、いらない?これ、」
夫はダメ元で、ささみチップスを差し出してみた。
花子はわんともくぅんとも言わず、凛としてお座りしておる。
(……なんって、いい子なんだぁぁぁぁぁあああ!)
ナナ父は、大感動。
「悪かった花子ちゃん!とりあえずこたつで丸くなろう!」
「それは猫ね。」
「ワン(※お母さんさすが)!」
「ワタクシもいちおう、おりマース!」
……こいつはナナ宅も、じつににぎやかな二日間だぜ!
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