※※第107話:Make Love(&Piledriver sexual).51







 「ちょっとお、慎くん、返してよお、」
 愛するマスクァレイジャーグッズを取り上げられてしまった司は、必死で両手を伸ばした。

 「おれにも貸せよ、」
 もしやヤキモチでも妬いているのか、慎は頑として返そうとしません。





 ちなみにここは慎宅で、意外にもけっこうな豪邸でございました。







 「壊さないでよお?」
 「それより司さぁ、クリスマスには何が欲しい?」
 夢中になって手を伸ばしていると、突然のこの質問でしたので、

 「……り、凛ちゃんかなあ、」

 頬を赤くした司は、とりあえずませてみた。





 慎はどこからどう見ても、ムスッとした様子で、

 ドサッ――――…

 とうとう司を、床暖の上に押し倒しちゃったのである(なんたる小学一年生)。







 「司さぁ、」
 かなり真剣な表情で、慎は言いました。

 「クリスマス前だけど、おれのものになる?」











 冷や汗混じりに、司は叫んだ。

 「助けて、薔兄ちゃ――――――――――ん!」












 ……そこ、マスクァレイジャーでもポストンジャーでもないんだ。





 とんでもない衝撃を受けた慎は、怒り始めた。

 「司!なんでそこでおれの知らない男の名前を叫ぶんだよ!」

 ってね。





 「だって、身近で一番頼りになりそうなんだもーん!」
 「なにぃ!?お前の姉ちゃんはどうしたんだよ!」
 そうそう、こけしお姉ちゃんだってめっちゃ頼りになるよ?
 たぶんこの場合は、慎サイドにとってはね。

 …………だからか?


 「姉ちゃんはれっきとした、女だもん!」
 「なーっ!?」

 ……あ、そういうことか。





 怒髪冠を衝く勢いで、慎は声を張り上げました。

 「司!お前を賭けて、今度そいつと決闘だ!」










 「慎くん、絶対に100ヨタパーセント負けるよ。」
 「なぁーっ!?」


 よく、ヨタ知ってたな。




 ……それよりなにより、

 ナナがいます。



 決闘するまでもないけど、そのうち決闘か!?

 くれぐれも、全員男だからこけしお姉さんには伝えてあげてね。

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