※※第107話:Make Love(&Piledriver sexual).51
それでは、まいりましょうか、
時はすでに、クリスマス(イヴ)直前の三連休へとさしかかりました!
しかも、日曜日!
「あたためますか?」
ふにゃり具合に拍車がかかっておりますナナさんは、本日も元気いっぱいアルバイトに励んでおりました。
「あ、お願いします…」
わりと控えめそうな青年のお客さんは、消え入りそうな声で返します。
「かしこまりました!」
ナナはくるっと振り向き、レンジにお弁当を入れまして、
(あああ、今日も6時間働くよ〜!)
すでに締め日が過ぎていることなどつゆ知らず、本日働いたぶんも今月の給料分に含まれるのだと思い込み気分は上々なんです。
そして、
(こけしちゃんが参考に、なんか雑誌とかいっぱい貸してくれたし!帰ったらじっくり読んでみようっと!)
などと考えながらも、
(あのひとあんなにかっこよくてしっかりしてるのに、もうすぐ16歳になるんだよねぇ…)
改めて、しみじみしてみた。
(どうしよう、ものっすごくかわいいんだけど……)
ふにゃん…
(かわいすぎる…、なんだかもう、今すぐ会いたくなってきちゃった…)
「あの〜、あたため終わってるんですけど…」
…お客様、もう少し大きな声で言わないと聞こえないかもです。
(ああ、かわいい…)
「あの〜…」
こんな風に、ナナが若干お客さんを困らせておりますと、
「おい、」
突然、そら不機嫌そうな声が。
「勝手に声掛けんじゃねーよ、そいつは俺のだ。」
……えええ!?
ボクがほしいのは、あたためが終わったお弁当!
とも到底言えるはずのないお客さんでしたが、
「あああ!薔です!わたしいま薔のことばっか考えてたので、お弁当あたためてるのをすっかり忘れてました!」
「なんだ、そういうことか、」
おそらく危機一髪。
「相も変わらず、仲良しね…」
店長さんは、せっせと働きながらホロリとしておる。
「どうしましょう…、もうほんっと、かわいくて仕方ないんですけど…」
「あ?」
「あの〜…、お弁当……」
はい。
本日も和やかムード満載な、街のコンビニエンスストアでございます!
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