※※第106話:Make Love(&Hand cuff).50







 いささかの時は流れ。


 「いらっしゃいませ!」

 この日も学校のあと、ナナは元気いっぱいバイトに励んでおりました。

 「チーフ〜、最近ますます絶好調ですね〜!」
 「そんなことはありませんて!」

 …とか言いながら、照れてるじゃないの。





 「お疲れ様、外は寒いわ!ナナちゃんはあと10分でお迎えだねっ、」
 出勤してきた店長さんは、ちゃっかり笑いかけてゆきまして、

 「あと10分かぁ…」

 ナナは頬を赤らめた。



 …やっぱり絶好調やないかい。
 元チーフはそうツッコミたいのだけど、心の中でツッコむのが精一杯でありました。
















 ほんとうに約10分後に、お迎えにきた薔とナナは仲良く手を繋いで帰ってゆきまして。



 「いや〜、そう言えば店長、知ってましたかあ?」
 「なになにっ?」
 見送る元チーフは、感心しながら言いました。

 「チーフはあのおかたのお誕生日プレゼントを買うために、バイトを始めたようですよ〜!」

 と。





 「知ってるわよ〜!ほんといい子よね、ナナちゃんは!無理もないけど〜!」
 「ですね〜!」
 店長と元チーフは、力強く納得。


 このとき、

 「お誕生日って、いつなんだろうね?まぁ、初めてのお給料で、クリスマスプレゼントにも間に合うかな?」

 今度こそほんとうに、衝撃の事実が明かされたのでした。


 「ちょうど給料日、25日だもんね、よかったね、ナナちゃん!」




















 ナナはきちんと、通帳やキャッシュカード、つまり銀行の口座を、薔に作ってもらったんです。

 よって、間違えてもいけませんので、給料に関する用紙の書き込みはすべて彼にお任せしました。



 ですので、バイト先の給料は、

 15日が〆で、25日が振り込みなのだという、

 痛恨の事実を、未だ知らずにいたのです。


















  ...What happens to Christmas Eve?

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