※※第106話:Make Love(&Hand cuff).50






 ピンポーン

 いったん抜いてからほどなくして、マンションには来客があった。


 「やっと来たか、」
 「はい…?」

 ナナは未だ縛られたまんまだが、特にどうということもなく薔は玄関へと向かいました。








 ガチャ――――…

 やたら上がはだけております薔が、玄関のドアを開けると、

 「このたびはまことに、申し訳ございませんでした…」

 いきなり深々とあたまを下げている、司がそこに立っていた。




 「次やったら明日は無えぞ?」
 「かしこまりました!そして薔兄ちゃん、」
 「なんだ?」

 司は勢いよくあたまを上げると、衝撃の事実を口にした。

 「鍵は見つかりませんでしたが、あちらの手錠には万が一のときためのロック解除ボタンが付いておりました…」

 と。




 「安心しろ、そんなん知ってる。」
 「それならよかったでござるう!」

 ……あ、なんだ、知ってたのか。



 ホッと胸を撫で下ろした司は、

 「このたびはわたくしめに明日をくださり、ありがとうございまーす!また来まーす!」
 「二度と来んな。」

 ニコニコと手を振って、帰っていきました。





 いちおう、なんだかんだで薔も手を振り返したのですが、


 フッ――…

 と妖しく笑った彼は、

 「まぁ、あいつにはまだ黙ってるけどな、」

 バタン――――…

 ドアを閉めた。




 …――縛られたまんま、2ラウンド目へ突入か!











 「おれ、おっきくなったらああなりたーい!」
 「どこの大きさぁぁ?」
 「いや、桜葉、そういう大きさではないと思うんだが、」

 こけしちゃんと醐留権は、結果的に司は善いことをしたのだと、悟っていた。















 ――――――――…

 セックスのち、のお風呂です。
 ちゃんと手錠は、ロック解除ボタンにより外されました。



 「あのぅ…、」
 「ん?」

 湯に浸かり、後ろから抱きしめられながらナナは尋ねた。

 「先に好きになったのは、わたしなんじゃないですかね?」

 と。




 「何言ってんだ?」
 至って落ち着いて、薔は返しました。

 「おまえが俺を悪魔呼ばわりしてたとき既に、俺はおまえを好きになってたぞ?」

 ってね。





 ぎょあああ――――――――――――っっ!

 あーっ、ぁーっ…(※大慌てのエコー)




 「それはほんっとに、すみませんでしたーっ!」
 「おい、いきなり動くんじゃねぇよ、擦れるだろ?」
 「もう擦れてますーっ!」
 「あ?」














 そのあとはもちろん、花子も揃ってのお夕食タイムです!

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