※※第１０４話:Make Love(&Lesson).48

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　『慎くぅんもぉ、きっと喜ぶわよぉぉ。』


　勢い余っちゃったのか、ニコニコキランとするこけしちゃんはつい言葉にしてしまった。


　すると、

　「喜ぶわけないじゃん…」

　頬を赤らめる司は、ばつが悪そうに言ったのです。

　「だって、慎くんも、凛(りん)ちゃんのことが好きだって言ってたもん……」






　…――小学一年生にしてこの複雑さ！






　テンションが内面でガタ落ちしたこけしちゃんだったが、弟には悟られないよう返しました。

　「司ぁ、お姉ちゃぁんはぁ、諦めろとも勝負しろとも、言わないからねぇぇ。司がどうぅしたいのかをぉ、見つけることが大事よぉぉ？」

　と。



　「姉ちゃん、なんかすげえ、会社の社長さんみたい！」
　「会社の社長さぁんじゃなくてねぇ、お姉ちゃぁんだから、こういうことを言うのねぇぇ。」
　…そりゃそうである。


　「ありがとう！姉ちゃん！おれ、慎くんと一緒にがんばる！」
　「あぁぁ、もうぅ、司はほんとぉぉにぃ、いい子ねぇぇ。いっそ慎くぅんとぉ、付き合っちゃえばいいのにぃぃ。」
　意気込む弟に、腐的なアドバイスというか願望をぶつけたこけしちゃんなのですが、

　たたたっ…

　勢いよく部屋を出てゆく際、くるりと振り向いた司は赤いほっぺのまんま、元気よく言ったのでした。

　「でもおれね、姉ちゃんが一番好きーっ！」












　バタン――――――…

　ドアがきちんと、閉められたあと。


　「あぁぁ、どうぅしようぅ、何としてでも阻止したくなってきちゃったぁぁ。」

　ちょっとした黒い悩みに、こけし姉ちゃんはニコニコと困惑気味で。


　“いっそ禁断の姉弟モノでも、書いちまえよ、”

　お膝を狙っているゲイちゃんは、さりげなく新しいお話を提案していたのでした。






　……司の(初？)恋はこれから、あったかく見守ってゆくことになるかもしれない。
　成長の過程には、ビターもないとひどく味気ないのである。

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