※※第103話:Make Love(so Captive).47







 バイトから帰ってすぐソファでセックスしちゃいましたのに、夜はまたまた求め合っちゃったのかもしれません。

 そこは、やはり、割愛を(またかよ)…

















 ――――――――…

 「うぅぅんぅ…」

 メルヘンチックなお部屋にて。
 こけしちゃんはうんぅうんと唸っておりました。

 「やぁっぱりぃ、GLって難しいぃぃ…」

 ってね。





 「あぁぁ、ナナちゃぁんの言うようにぃ、ゾーラ先生ぇラブぅならすぐ書けるのにぃぃ。」
 乙女な悩み悶えに、頭を抱えるこけしちゃんを、

 “しゃあねえよ、それお前の得意分野じゃねぇもんな、”

 ゲイちゃんがさりげなく、見守っております。






 そのときだった。


 「姉ちゃーん、ちょっといい?」

 ノックもせず、司が部屋の中へと入ってきたのだ。





 「こぉぉらぁ、司ぁ、ノックくらいしなさいぃ。お姉ちゃぁんだってこれでもぉ、悩める腐女子なのよぉぉ?」
 「それより姉ちゃん、聞いてよお、」
 それよりとか言っている場合じゃ、ないのかもしれないんだけど、

 「あのねぇ、おれねぇ、」

 もじもじする司は、こんなことを姉に報告してきたのです。

 「好きな子ができたあ。」

 と。












 ぱぁぁっ…と瞳を輝かせたこけしちゃんは、嬉しそうに返しました。

 「司ぁ、慎くぅんもぉ、きっと喜ぶわよぉぉ。」










 ……いや、こけし姉さん、

 まだ誰だか明かされておりません!











 クリスマス直前に、新たなる恋も実っちゃうのか!?















 ――――――――…

 オフィスにて。

 ネオンだけの明かりのなか、夕月はプライベートのほうのスマホを手に取った。



 呼び出し音三回ほどで、相手は電話を繋ぐ。

 少しだけ向こうが何かを話したようで、夕月は穏やかに言いました。

 「安心しろ彦一、薔は元気だったぞ。」








 「だから余計な心配は、しないでやってくれ。あの子はナナちゃんといて、ちゃあんと幸せなんだ。」
 言い聞かせるよう、穏やかにつづけた夕月だったが、

 「遺産を狙う奴らなら、他にいる。そっちへ目を向けてみろ。」

 ふと、口調はそのままでも、自分にも言い聞かせるよう表情だけ強くして言ったのでした。


 「ん?あぁ、竜紀か?…あの男はな、確かに死んだんだよ。」


















 …――――摘み取られるは、

  愛か? 希望か?


   それとも渦巻く、
      どす黒い闇か。














 ...I love you, so that I'm mad.

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