※※第103話:Make Love(so Captive).47
どふぅっ…
ナナはバイト先の休憩室にて、気絶寸前で畳の上に倒れ込んだ。
「こっ…、こけしちゃん…、もうわたし、限…界……」
ハァハァ…
はい、ご安心ください、初GL公開の前にいつものBLがきちゃっただけでございました。
「あああ…、もうっ、何なんですかぁ…、“こわい”とか何か、可愛すぎるじゃないですかぁっ……」
とか言いながらナナさんは、大赤面中の顔を両手で覆いながら畳の上でゴロゴロ悶えている。
(ううむ、……言ってほしい、かも…)
……逆に言わされない程度に、おねだりしてみ?
否応なしにムンムンと、こけしちゃん(小説)の影響を受けまくっていたナナでしたが、
「…はっ!あと5分で、戻らなきゃだよ!」
突然、ガバリと起き上がった。
そして、ちょっとだけ、
むぅーっ
とした。
「今日はちっとも、会いにきてくださらないな…」
「ううぅっ…、あのひとが全然会いにきてくださらないから、こけしちゃん小説を読むしかなかったよぉっ…、でも読んだらますます、会いたくなっちゃったんだよぉっ…!」
ナナは今にも泣きそうな勢いでありますが、そもそもなんでバイト先にまで持ってきてあったの?こけしちゃん小説を。
そんでもって、
「まさか何かあったんじゃあ、誘拐とか、さらわれたりとか…、あのひと可愛すぎるからなぁ…、どうしよう、すんごく心配になってきちゃったけど、あと2分もないよ…」
誘拐とさらうはまぁ似たような感じで使われるんだけど、とにもかくにも母性的な心配に悩み悶えていたナナは、
「あっ!でもよくよく考えてみたら、あのひととんでもなく強いから大丈夫だよ!うんうん!」
ふと、そりゃそうなのか?な納得をしてから、休憩室を元気よく出て行ったのでした。
(…わたしだってちゃんとバイトできるようになったし、あのひとにもやらなきゃいけないことがたくさんあるもんね!)
とか言い聞かせながらね。
ちなみに、ノートはきちんとロッカーにいったんしまい込んだ模様です。
……案ずることなかれ、彼はまさしくそのノートで攻めてるひとに、ただ、
さらわれただけだから!
……………たぶん。
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