※※第103話:Make Love(so Captive).47








 …――満たされてゆくのに、

     満たされない感情が、

 限りなく純愛に近い狂気を描き出す。







 『超えてみせよう しがらみだらけのEgo ideal(自我理想)』

















 ――――――――…

 プツ…

 ベッドの上、ゆっくり艶かしく、シャツのボタンを外してゆく。


 「やけに大人しいな、」
 手をスムーズに下へと移動させながら、鎧は口を開いた。


 すると、素直に脱がされてゆくだけの、震えるその唇は、

 「……こわい、」

 微かに、それだけ零れさしたのだ。





 その姿に、ひどく欲情してしまい、

 ぐいっ

 ボタンが全て外れる手前、顎を強引に持ち上げると、

 ちゅ…

 鎧は口づけていた。



 「ん……っ、」
 甘い声は漏れて、ベッドは軋む。

 キスの最中、開けたシャツのあいだ覗く肌へ手を滑らすと、

 「……ん、や…っ、」

 彼は力を振り絞り、濡れた唇を引き剥がした。


 ところがすぐに、唇は塞がれて、

 「ん――――――――…っ、」

 ドサッ…

 二人してベッドへ倒れ込む。



 「ん…っ、…ん…ぅっ、」

 舌を絡め合い、熱く手に手を重ね、爪先がシーツを乱す様がまた厭らしく。



 「は…ぁっ、ん、」
 ようやく離された唇は、肌の上を滑り落ちてゆく。





 「……っ、だめ、だって…」
 「だめなわりには、やけに可愛い声出してんだな、」

 辿り着いた胸元で、鎧は突起を舌で弄る。

 「……んっ、あ…っ、」




 「お前の部屋だと、いつあの男が来るかわかんねえだろ?」
 「や…ぁっ、そこ、…だ…め、」
 舌は遊ばせたまま、更に下へと手を伸ばす。




 今ではベッドも乱れきって、抵抗を見せようとも脱がされてゆく躰は、淫れるばかりで、

 「もうこんなんになってたのか、」
 「…っあ、んや…っ、」

 熱く触れて扱きながら、鎧は耳元囁いた。


 「ほら、我慢できねえなら一回イっとけよ、……薔、」

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