※※第102話:Make Love(&Creme fraiche).46







 どれだけの黄色いラベルが集まったのかは、ご想像願いたいのですが、休み時間のあいだも皆さんはせっせとハガキを書いたりしておった。



 「おおおわぁあ!こけしちゃんのザザえもん、すごすぎるよ!そっくりだよ!むしろこちらも本物だよ!」
 「エヘヘぇぇ。」
 大感動のナナの隣、イラストが大の得意なこけしちゃんは、うろ覚えのザザえもんですら見事にそのまんまであるようで。


 「お前、今頃書いてんのか?」
 「違うんだよ、薔くん、俺これでも、途中までは真面目にやってたんだよ…」
 本当にその通りの羚亜は、気まずそうに返します。

 ……そろそろこけしちゃん、第二候補でもいってみるかい?
 あ、でもその場合、受けはどっちだ?




 はとりあえず置いときまして、

 「暮中!先生も50枚書けたぞ!」

 と、ハガキの束を手にした吉川が、休み時間だというのに元気よく教室に入ってきた。



 …担任にも、あれだけやらせたのですか。

 クラスメートの皆さんは、なんだかんだで感心しておる。





 「あぁ、悪りぃな、葉書ならまだあんぞ?」
 「よし!たくさん持ってって、他の先生方にも頼みまくるか!」
 そんでもって、明るく大笑いしながら、吉川はまたしてもハガキの束を手にして教室を出てゆきました。
 それ、半分くらい、校長先生にも渡してください。



 と思ったら、

 「あの〜、薔くん〜、」

 もじもじと取りにやってきた。




 「校長先生も、ハガキもらってっていいかな〜?」
 「いいに決まってんだろ。」
 細宮校長のほっぺは、やたらさくら色をしている。

 「むしろ次の授業、後ろで見学しててもいい〜?」
 「そいつは駄目だ。」
 「えぇ〜!」

 ※さすが変態チック。



 しょんぼりかと思いきや、お話ができた校長はルンルンと、ハガキを100枚ほど両手で持って教室を出て行きました。

 ……そんなに、飲んだの?





 (ここは是非とも、キントリーから表彰を…)

 と、クラスメートの皆さんやギャラリーさん方は言えるものなら言ってみたい。













 「あ〜、教頭〜、思った以上に落ち込んではいないんだけど、今夜やけ酒に付き合ってくれない〜?」
 「いえ、本日はわたくしは、孫が遊びにくるので無理です。」
 「えぇ〜、それはよかったね〜、おめでとう〜。」


 ……えーと、細宮ズグランドチルドレンも、
 おじいちゃんに会いにきてあげて!

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