「Forbidden…」


ひかりつづけ
あかい海へ
およぎ果てて
つかれ涯ててもいい


さがしていたのは愛か
それともただの快楽か
触れあうゆびを離してしまえば
あっけないこれはさよなら?

夜は底知れずふるえて
わたしはひとりさ迷って
やっと見つけたと思ったら
あなたは微笑み堕ちてった

ひかりつづけ
あかい海へ
およぎ果てて
つかれ涯ててもいい


よごれていたのは夢か
それとも現実は悪夢か
重なるカラダが冷えてしまえば
あっけなくこれでさよなら?

朝はあなたなしじゃ見えない
生きてるコトを感じられず
めまいにも似たよろこびのなかへ
身を委ねて堕ちてゆきましょう

ひかりつづけ
あかい海へ
およぎ果てて
つかれ涯ててもいい


抱きしめながらあなたは言った
おそろしいほどキレイな瞳で
「キミのために生きつづけるから、どうかひと想いに殺してくれ。」


流していたのは涙と
流していたのはあかい血と
生きているからこそ
目のまえに
無限の死はひろがっていた


ひかりつづけ
くらい闇へ
手さぐりでも
歩けてたのなら

ひかりつづけ
あかい海へ
およぎ果てて
つかれ涯ててもいい


抱きしめながらあなたは言った
おそろしいほどキレイな瞳で
「キミのために生きつづけるから、どうかひと想いに殺してくれ。」

だからわたしはナイフを手にした
泣きながらナイフをひき抜いた
横たわるあなたに刺してしまえば
あかくうつくしくかなしい永久が見えた


そしてわたしはこのさき
だれも
愛することはないでしょう


そしてあなたはこのさき
ずっと
わたしのなかで生きてゆく

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