Seleno


そばにいることが大切なら
離れ離れの僕らは 一体何だろう?


ある雨の日に あなたからの電話
他愛もない会話だった
もう二度とこれで 会えなくなるなんて知らずに

淋しいなんて口にするには
早すぎたときに 気づいていたなら


何度も 冷たい言葉が生まれて
あなたは途方に暮れた
本物はいつも 歪んだ箱の中に入っていた

今だから分かることはひとつ
きみこそが最初で 最後の恋人だった

そばにいることが 一番大切だったなら
僕らは一体 何を失わずに済んだだろう?
遅すぎたことばかり もう あなたはいない
もう 声も聞こえない


新しい命が生まれて 生きてゆく日々に
あなたがいることを 信じてもう一度生きてゆく


今だから言えることはひとつ
きみだけをもっと 素直に愛せていたのなら

淋しいなんて 口にするには早すぎたときに
そばにいて もっときみを知っておきたかった
空っぽの明日を 月が 優しく照らす
まるで あなたのように

そばにいることが 何より大切だったなら
僕らは一体 何処へたどり着けたのだろう?
叶わないことばかり もう あなたはいない
もう 手も触れられない


新しい命が 生まれては消えゆく
きみだけがいない日々に

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