Daybreak


もう二度とその髪に触れられない
声を聞くことさえも叶わない


君の長い睫毛を 涙が濡らす
立ち尽くすばかりの街角

変わってしまったのは 僕じゃない
きっと君の方だろう
それでも君は 僕を責めるだろう

もう二度とその髪に触れられない
声を聞くことさえも叶わない

もう二度とその頬に触れられない
微笑み返すことも叶わない


冷たい毛布にくるまれ 叫ぶ
呼び慣れたはずだった名前を

癖っ毛や荒れた手を 思い出す
思い出す君はいつも 笑っているから 悲しくて

もう一度その髪に触れていたい
声を聞きながら静かに眠りたい

もう一度その頬に触れていたい
伝えたい想いだけが伝わらない


変わってしまったのは 僕じゃない
きっと君の方だろう
それでも君は 僕を責めるだろう


もう二度とこの腕で 包み込めない
不器用な愛し方も愛しくて

もう二度とその髪に触れられない
声を聞くことさえも叶わない

もう二度とその頬に触れられない
微笑み返すことも叶わない


さようならが響いた夜明けに
君の亡骸だけを抱きしめて


さようならが響いた夜明けに
君の亡骸だけを抱きしめて…

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