思春期性少年
放課後だ。
いつもなら部活動に励んでいる熱血青少年の俺だが、今日は運よく両親が商店街の福引きで当てた一泊の温泉旅行に出かけるから帰っては来ないというヤりたい盛りには何ともベタなシチュエーションが巡りに巡ってきた。
「淳也(じゅんや)さ、ほんとに俺とすんの?」
俺の目の前で特に恥じらう様子もなく、クラスメートの優真(ゆうま)が確認してくる。もともとこいつは見目はそれは麗しいが、淡白なやつだから俺が部活をサボったことには今のところいっさい触れてこない。
この、女子にモテて仕方ないのにさらりとかわしつづけてきた優真の親友というポジションにまで昇り詰めた俺、マジで何か表彰してやりてえ。
「大丈夫、周りの奴らみんな、女は面倒だから男同士でこういうことしてるから(たぶん)!多感な思春期を迎えた男子高校生なら、誰しもが通る道だって!」
「ふぅん、そうなんだ?淳也は詳しいね、俺そういうのマジで興味ねぇからよくわかんね」
俺はひたすらただの性少年であるが故の好奇心であることをアピールする。だって、俺、こいつにだけは気持ち悪いとか思われて嫌われたくねぇもん。
ていうか、興味ねえくせにのこのこついてきてくれた子羊の優真が可愛すぎて、俺のなかの滾る血流という血流が一ヶ所に集まりそうで非常に困っている。
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