※※第52話:Make Love(with Sex aid!).1
複雑に絡み合う新学期の前、それはお盆の出来事を、描き出してみたいと思います。
朝です!
こないだはすっ飛ばしてしまったんで、まずは朝のお目覚めシーンから!
「んあ…………?」
外が明るい様子で、おもむろにナナは目を覚ました。
昨日から今日にかけては色々ありすぎて、ほとんど朝方眠りに就いたため、あまり眠れてはいない。
そして、只今何時なのかと時計を見ようと試みたのだが、とてもではないが動けなかった。
(ぎゃあ――――――――――――っ!)
本日は後ろから、眠る薔に抱きつかれていたわけで、しかもちょっと強めに抱きつかれているように思えてならないナナは、瞬く間に真っ赤になった。
(ひゃああ…っ!とんっでもなくいい匂いで、あったかいんですが、寝顔が見られないよ!)
どうやらナナさんは、寝顔を見ながら悶えたいらしい。
(いやっ、でももうけっこう明るいんで、起こしたほうがいいですよね!?)
ということで、勇気だかを振り絞って、後ろから抱きついている薔へとナナは声を掛けてみた。
「あのぅ……、」
まずは小さく。
起きる気配はない。
「あの、薔、起きてください。」
次に声をはっきりさせたナナは、ちょっとだけ彼を揺さぶってみた。
すると、
「ん――――――…」
なんともまあ甘えた鼻声で、薔はもぞもぞと更に強く抱きついたんですな。
おぉわぁあ―――――――――――っ!?
(ぎゃあああっ!かわいいっ…!)
朝からしみじみしちゃう、ナナです。
(んも〜う、かわいすぎるんですけど、お願いなので、起きてくださいよぉ!)
とか思っている彼女は、顔がにやけるのを抑え込むのに必死。
「薔っ、起きてください!」
最終的に、かなり声を張り上げ、揺さぶっていると…、
「ん…………」
ようやく薔は、目を覚ました。
「おはようございます!起こしてしまって、すみません!」
赤面しながらもナナが、まずは朝のご挨拶をすると、
「ん…、おはよ…」
薔もちゃんと返したが、声は甘ったるい感じであった。
「…いま何時だ?」
「ぇえ?えーと、」
ふたりして時計を見ると、
7時になったばかりだった。
(えぇ―――――――っ!?まだそんな時間!?)
ナナは、びっくり仰天。
「…なんで起こしたんだ?」
抱きついたまんま、薔は落ち着いておりますが、
「あのっ、もうお昼頃とかだと思ったんです、」
ばつが悪そうに、ナナは正直に述べた。
「ん…、とりあえず8時まで寝かせろ…」
そんでもって薔は、そのまま再び眠ってしまった。
(おお…っ!わたしはどうしたらいいんだぁ!?)
心地よいんだが、ドッキドキのナナは、とりあえず8時になったら起こしてあげようと意気込んだ。
ところが、よくよく気づいてみると、またしても時計は見られない状態になっていた。
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