※※第88話:Make Love(&Love sick).35







 やってまいりましたは、

 土曜日!


 ナナは午前9時から元気いっぱいに、バイトへと臨みました。


 「さてと、」
 彼女をコンビニまで送り届けてから、薔はとある準備にかかった。






 同じ頃。

 「桜葉、今日はこれを着ていくといい。」
 「やったぁぁっ。」

 醐留権邸にて、こけしちゃんと醐留権も準備に取り掛かっておりまして、

 「うわぁ!何か面白そう!愛羅さんも呼んでいい!?」

 はしゃぐ羚亜と、愛羅もどうやら参加しちゃう模様です!




 「………………。」
 いったん黙ったこけしちゃんと醐留権のまえ、

 「そうと決まれば電話してくる!」

 羚亜は廊下を、パタパタと駆けていった。


 「いいとは一言も、言っていないんだが、」
 「でもぅ、ゾーラ先生ぇ、頼りになるかもよぉぉ?」
















 ――――――――…

 やがて、夜です。

 時刻は19時の、15分前です。


 「あら、ハリーさん、よく似合うわ。薔くんの見立ては素晴らしいわね。」
 笑って拍手を送るナナ母のまえ、

 「恥ずかしいデース!」

 気まずそうなハリーは、


 白いタキシードに、リボンのついた一輪の薔薇を手にしていた。




 「これなら余裕で、20時には間に合うわよ。雅之が残業じゃなかったら見せてあげたい勇姿ね。」
 「HAHAHA〜、」
 ナナ母の言葉に、ハリーは照れくさそうに頭をかくと、

 「こちら〜、一本で大丈夫なのデスカ〜?」

 その点についてを、心配した。



 「これから数を、増やしていけばいいのよ。」
 力強く笑って、ナナ母は返しました。

 「ハリーさんは葛篭さんに、“一目惚れ”したんですから。」














 ―――――――…

 「わぁあ!なんだか緊張してきちゃいました!」
 ソワソワするナナは、美咲のドレスの上にシフォンのボレロを羽織っております。

 「おまえ可愛すぎだろ、寒くはねぇか?」
 「ぎゃあ!大丈夫です!それより後で、写真を、あの、その…」
 すぐさま真っ赤になったナナへと立派に確かめた薔も、実にスマートに黒スーツなんかを着こなしちゃっております。


 「しかし、偶然にも私んとこのグループが経営するレストランで、助かったよ。」
 笑う醐留権は、なんと、ウェイターの格好に本日はコンタクトです。



 「あんたそれでバレねぇのか?」
 「コンタクトにしただけで、大分雰囲気が違うだろう?桜葉もいつにもなく、キリリとしてまた素敵だ。」
 「ふーん、」

 醐留権はついクセで、鼻の辺りを弄ってしまい、

 「ゾーラ先生ぇぇ、」
 「こけしちゃん!?今ものすごく可愛く、にっこにこしてるよ!?」

 キリリを保てるわけもなく、ぽわわんとするこけしちゃんもなんと、ウェイトレスの格好をしているんです。



 「やだぁ、羚亜くん、かっこい〜い!」
 「愛羅さんもものすごく、キレイだよ!」
 スーツの羚亜とドレスの愛羅は、なんだかんだではしゃいでおる。




 「・・・・・・・・・・・・。」

 周りはいったん、呆れ返ったのだけど、


 「さて、行くか、」

 メインキャラ総出演で(あ、花子はお留守番か)、一同は威風堂々と歩き出しちゃいました!






 これより、

 『遅咲き!?ハリーさんの恋実れよ大作戦!』

 ついに敢行です!













  …――Does love fruit?

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