※※第80話:Make Love(&Feel…).28









 日曜日ですよ!

 11月11日、
 それすなわち、
 あの国民的お菓子の日でございますよね!














 「こぉぉらぁ、司ぁ、ちゃんと着替えてきなさいぃ。」
 朝ごはんの前、こけしちゃんはおっとりにおいてプリプリしながら言いました。

 「やだーっ、おれ、昨日はこれでいけたもんーっ!」
 ただをこねる司は、そのまんまパジャマの上に、二枚の服を重ね着しております。
 つまり、上は三枚です。


 「今日もずぅぅっとぉ、その格好でいる気なのぉ?」
 「うんっ!おれ、昨日の思い出を、まだ思い出にしたくないもん!」
 こけしちゃんが尋ねると、司はいったん瞳を輝かせたが、

 「何言ってるのぉ?司はぁ。その場合ぃ、“昨日の思い出”だと表現がおかしいでしょうぅ?着替えなさいぃ。」
 「やだあーっ!」
 姉のごもっともな指摘により、再びだだをこね始めた。



 「こぉぉらぁ、ふたりともぉ、ご飯の前に騒がしくしないぃ!」
 母がニコニコと叱咤しようとも、

 「だってぇ、お母さぁん、司がぁぁ、」
 「姉ちゃんのばかーっ!おっとりーっ!」

 ふたり(特に司)は聞く耳持たぬ、です。



 “日曜の朝からうるせぇな、”

 ゲイちゃんは呆れております。






 そこへ、新聞を手にしている桜葉宅ファーザーが、この物語においての初登場を果たした。

 父は至極ゆっくり歩いて、食卓に着きました。




 バサァッ

 新聞を広げた夫に、

 「お父さぁん、まぁたぁ、悠香と司が喧嘩してますよぉ。注意してやってくださいなぁぁ。」

 妻がおっとり困り顔で、説教の依頼をした。




 新聞をいったん、食卓へ置くと、

 「悠香ぁ、司ぁ、ここに座りなさいぃ。」

 父はのんびりした口調で、娘と息子を呼び寄せた。


 「はーい!」
 「はぁぁいぃ、」
 ふたりが特に何てことなく、席へ着くと、

 「いいかぁぁ?悠香ぁ、司ぁ、よく聞きなさいぃ。」

 父はにっこりと諭すよう、こう言ったのでした。


 「お父さぁんはなぁ、激おこぷんぷん丸だぞぉぉ?」

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