※※第67話:Make Love!(+Fall).20
しかし、荒れていた青空は、予期せぬ事態の前触れだった。
この日の朝は、若干暗雲が空に立ち込めており。
「今日は雨が降りそうですねぇ。」
「そうだな、」
ナナと薔はいつも通り、手を繋いで歩いていた。
お肌が絶好調のナナはちゃんと、右手にビニール傘を持っておりました。
ふと、
「おまえ、気づいてっか?」
堂々としたまんま、薔が言った。
「不自然なほどに、人通りが無え、」
「え…?」
言われてみて、辺りを見渡したナナは、
「ほんと、ですね、」
ようやくその異常に、気がついたようだ。
シーンと静まり返った一帯には、人の気配が全くなかった。
「こいつはつまり、アレか?野外セックスし放題か?」
「ぇぇぇぇええ!?」
いやぁ、どうせなら人が来るか来ないかの瀬戸際でスリリングを…、でも初っ端の野外セックスだし…、
とか言ってる場合じゃないんでないの!?
まぁ、ふたりは(特にエロ担当のほうは)まったく、動じていないのですがね。
ふっ、と、暗雲によるものではなく、辺りが暗くなった。
「おわ?」
何事かと思うナナが、キョロキョロするより早く、
ぎゅっ
繋いでいたほうの手で、薔は彼女をつよく抱き寄せたのである。
いつの間にかふたりは、何人もの男に取り囲まれていた。
何かを言っているが、何を言っているのかわからない時点で彼らは正気ではないのだろう。
ナナはまず、抱き寄せられてることであたまがいっぱいなのだが、
「おい、」
薔は泰然自若として、言い放ったのでした。
「阿呆みてぇに突っ立ってねーで、行くべきとこへ行け。白目剥いてんぞ?」
「さぁ、聴かせてもらおうか、血に塗れた媚声(うたごえ)を。」
かっこつけて見下ろす其奴の頭上、太陽は既に雲が覆い隠していた。
時間帯、考えてよ。
これから学校なんだからさ!
…――A true devil is which?
Oh,mistook!
『We are not dyed wrong!!』
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