※※第66話:Make Love(+Field day!).19






 『開会式はね〜、昨日やっちゃったから〜、校長先生が皆さんにお伝えしたいことは、ひとつだけね〜。』

 ゴク。

 校長はわざわざもったいぶって、何を伝えようとしているのだろう?と、何人かが息を呑んだところで、


 『秋晴れや〜、あぁ秋晴れや〜、秋晴れや〜。』


 …………………え?


 それだけ言った校長は、台から朝礼台へ、そして短い階段を降りていきました。




 …もしや、伝えたいこととは、今の一句(と呼べるかは疑問であるが)のことか?

 大半の学校メンバーがポカンとしていると、

 カンカン…

 朝礼台に教頭が乗ってきて、

 『え〜、校長はまだボケてはおりません!これから第27回、体育祭を開催いたします!』


 はじめから教頭が始めてよ――――――――っ!!


 無事、体育祭が始まっちゃいました!





 「校長!しっかりしてくださいよ!」
 「だってぇ〜、ジャージ姿とか、また萌えるんだよコレ〜。」

 ステージから降り、ぽわんとする校長を叱咤する教頭も、ジャージにカンカン帽姿だった。











 『さぁ!応援団の準備も整ったようです!これから競技を始めていきましょう!実況はわたくし、3-4・角田(つのだ)が出来る限り務めさせていただきます!』
 途中で誰かに代わる予定なのか?そもそも一人で任務を背負うなよ、と言いたいところでもあるが、立派な実況と、応援団までもが気合い充分だった。


 『皆さん!今回の見所とか、角田はあえて言いませんよ!その目でしっかり焼き付けやがれ!』

 …見所なんて、しっかり下調べ済みだわ!



 『まずは女子の、50メートル走だぜ!』


 …なんか腹立つな、この実況!




 そんなこんなで、女子の50メートル走から競技の幕は開いた。

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