※※第66話:Make Love(+Field day!).19







 宣誓!

 乗っ取るのは、スポーツマンシップだけね!











 いよいよ、やってまいりましたは、

 体育祭、当日!


 なんとまあ、透き通るような秋晴れの、素晴らしきスポーツ日和なのでしょうか!




 朝から全校生徒が、自身の椅子を持ってグラウンドへと向かっておりました。

 「ナナちゃぁん、いいなあぁ。」
 「えっ?そんな、こけしちゃん、えへへっ。」

 照れるナナさんがバッグに入れて持っておりますのは、水分×二人分・携帯×二人分・デジカメ、といった、細々としたものだけです。


 椅子はね、なんだかんだで、重いんでね。




 「あのぅ、ふたつも、重くないですか?」
 「バカにしてんのか?」


 …ひぇえ!

 やっぱり、紳士的!


 はい、ナナの椅子は、ちゃんと薔が持っておりました。



 「愛羅さんどこかな?」
 「おい、立ち止まってねぇで、早く行け。」

 立ち止まり、キョロキョロしていた羚亜は、有無を言わせぬ目つきにより再び歩き出した。











 グラウンドには、実況中継やなんかの為にテントが張られております。

 椅子を然るべき場所へ置き、皆さんいったん朝礼台の前に整列しました。




 「か、果蘭姉さん、」
 「なに?」
 親衛隊の、こそこそ話。

 「ジャージとTシャツを、あんなにもスタイリッシュにキメてらっしゃる15歳を、未だかつて見たことがありますか?」
 「いやぁ、ないね。仮にあったとしてももう、思い出せないよね。ぶっちぎりのスタイリッシュさだよ。」


 …ジャージのブランド、教えてほしい!
 でも、いずれにせよ、あたしたちじゃ着こなせない!





 「おまえ、またここに花子の毛ぇ付いてんぞ?」
 「ええっ!?さすが花子ちゃん!」


 …あぁ、三咲さん、

 相変わらずぶっちぎりの、羨ましさ!





 かなりの皆さんが、悶え死に寸前でふるふるとふるえていると、

 『あ〜、我が校の生徒の皆々さま〜、青空広がるね〜、校長先生だよ〜。』

 いつの間にか、朝礼台上の台の上に、ジャージとカンカン帽姿の細宮校長が立っていた。

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