※※第62話:Make Love!(+Cinema).16






 「ったく、せっかくの土曜日に、おまえと何もできなかったじゃねーか。」
 「なにをなさりたかったのですかぁ!?」
 いざ寝ようとしているのか、ベッドのうえでナナと薔は向かい合ってお話をしております。

 「わかんねーのか?」
 「何となくわかるので、おっしゃらなくとも大丈夫ですーっ!」
 真っ赤で慌てる、ナナ。


 すると、

 「なぁ、ナナ、」

 少し甘えた声で、微笑むと、薔はこんなことを提案したのでした。

 「明日は久しぶりに、デートでもすっか?」




 とすっ

 ナナの胸だか頭は、キュンの矢に射抜かれたようである。

 なので、

 コクン…

 素直に頷いちゃいましたね。


 「かわいい、」
 ナナのあたまをそっと撫でると、

 「ちょっと待ってろ。」

 薔はベッドを下りていった。




 (どうなされたのだ?)
 キョトンとしてナナが起き上がると、彼女はまったくもってその存在に気づいていなかった机上のノートパソコンを、椅子に座って薔は開いております。

 (なんだろう?あれ、)
 かなり首を傾げているナナに向かって、

 「おまえ、こっち来い。」

 パソコンへと目をやったまんま、薔が声を掛けました。



 「あっ、はい、」
 ナナは急いでベッドを下りて、薔の後ろに立つ。

 「どれがいい?」
 彼が振り向いて問いかけたので、よくよく覗き込んでみると、画面にはいくつかの映画が映し出されていた。


 「えーと、」
 映画とかはよくわかっていないのだが、ナナが目で追ってゆくとちゃんと下にスクロールもされてゆき…、


 「ああっ!」


 ナナさんはある作品を目にした途端、歓喜の声を上げた。

 「これがいいです!」




 「あー、わかってはいたが、やっぱこれか。」
 「はい!」
 喜び勇むナナの隣、薔は呆れかえっている。

 「仕方ねーな。おまえがどーしても観てぇ、つうなら、これにしてやるか、」
 「ありがとうございます!」

 どうやら、ふたりは明日、初の映画館デートをする模様です!




 しかし、その映画の内容とは!?





 「時間は10時からのでいいよな?」
 「はい!」

 えーと、時間はわかったのだけど、内容は?

 「なら、寝るぞ。」
 「はいっ!」

 あのー、内容は…








 「ぎゃあ!どこ触ってるんですかぁーっ!?」
 「イヤなのか?」
 内容は明かされないまんま、ふたりはベッドに入ってイチャイチャし始めちゃいました。


 「えっと、イヤではまったくないです、はい…、」
 「だろ?」


 この後、どう触りまくったのかは割愛させていただくとして(←またそれか)、映画の内容は明日へと持ち越すことにしましょう!

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