※※第49話:Make Love!(in Island).9





 「はぁっ、はぁっ、」
 すこしぐったりして、激しい息をつづけていたが、

 「ん………………」

 やがてふたりは抱き合って、熱いキスを交わした。







 「そう言えば、あの!」
 「なんだ?」
 未だふたりとも服を着てないのだが、ナナはかなり期待していたことを伺った。

 「こないだ、首輪つけてエッチしたときの、あの、見せて下さるとおっしゃったのは、いつになるんですか?」

 ってね。




 「そんなに見てーのか?」
 「えっ?はいっ!」
 目を輝かせたナナは既に、調理台から降りていたので、

 「仕方ねーな、そこに座れ。」
 と命じられ、喜び勇んで(悦び勇んでか?)椅子に座ると薔へと向いた。



 「まぁ、言ったモンは守らねーとな、」
 調理台に寄りかかって、薔は下に両手を伸ばす。

 「よく見とけよ?」



 (え…………!?)




 「はぁ………っ、」




 興味津々だったナナでしたが、目の前で薔の一人エッチは始まった。



 (えええ!?)
 びっくり仰天したナナは、瞬く間に真っ赤っか。

 「はぁっ、はぁっ、」
 薔はやたらセクシーな表情で、激しい息を上げている。


 (えええええ!?)
 顔から火が出てもおかしくないナナのまえ、
 「ぁ…あっ、ナナ…、ソコ…、」
 ついに、甘い声で薔は、彼女を登場させてしまったようだ。



 (ぎゃあああ―――――――――――っ!)



 「ももももうっ、大丈夫です!エッチです、エッチすぎます!じゅうぶんですーっ!」
 「おい、途中で止めんな。最後まで見ろ。」

 というわけで、しっかり最後まで見ちゃったご様子です!














 ――――――――…

 リビングでナナは、こけしちゃんからのお土産である同人誌を読んでおり、なんだかお肌にハリとツヤがあります。
 花子は寄り添います。
 そもそも花子は、キッチンでのセックスの最中、なにをしていたのだろう?
 熟睡できてたとかなら、安心なんだが。

 ちなみに薔は未だキッチンで、仕上げだの何だの(料理のね)に取りかかっております。



 (おおお…、こないだはめちゃくちゃエッチに感じたのに、なんだか物足りなくなっちゃったよ……)
 ため息混じりか、同人誌を閉じるナナ。
 淫乱について辞書を引くことは、とっくに忘れております。


 (いや、でも、あのひとがあんなコトしながら、あんな声とか息とか音とか出すから…、もーう、なんだかんだで、また見たくなっちゃってる自分がいるよ…、どうしよう?)
 真っ赤で俯いていたナナは、

 チラリ

 と薔を見た。



 彼はけっこうシャツがはだけており、至って落ち着いてキッチンに立っている。





 (どぎゃあ―――――――っ!なぜにあのひとはけっこういつも、シャツがはだけてるの!?どこを見ればいいの!?ソコを見ちゃうんだよ!)
 ナナさんよ、先ほどの一人エッチの衝撃が、計り知れないのか?
 花子は、妄想巡らすナナを、つぶらな瞳で見上げている。





 (おお落ち着こう!わたしよ!落ち着くように、いったん落ち着こう!)
 まったく落ち着いていないナナは、呼吸を整えようと身構えた。




 その瞬間、


 「ワオ――――――――ン…!」


 花子の遠吠えが、響き渡った。














  …―――――――What!?

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